ベタを飼い始める時に
真っ先に必要になるのが”水槽”です。
水槽には様々な形状やサイズがありますが、
初心者さんは「最初だから・・・」と
小さな水槽を購入しようと考えているのでは?
中にはビンやコップなどの小さな容器を
選ぼうとしている方もいるでしょう。
実は、ベタの部屋となる水槽のサイズは
飼育の難易度に大きく影響します。
初心者さんほど手軽さや価格の安さを重視して
コンパクトな容器や水槽を選びがちですが、
実はデメリットも意外に多いのです。
そこで今回の記事では
ベタの水槽を選ぶうえで知っておきたい
サイズ別のメリット・デメリットを
様々な観点から比較してみました。
ぜひ参考にしてみてください!
ベタの水槽!サイズ別のメリット&デメリットを徹底比較
出典:http://aquascapelounge.blogspot.com
「コップやビンでも飼える熱帯魚」
としても知られるベタ。
飼育容器には様々な選択肢がありますが、
その中でも今回は以下の4タイプの
メリット・デメリットを考えていきます。
- ビン・コップ
- 15~20cmの小型水槽
- 30cm水槽
- 60cm水槽
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.ビン・コップ
出典:https://s.webry.info/sp/kh.at.webry.info/index.html
ビンやコップは入手性に優れており、
価格も本格的な水槽に比べて安いことから
手軽にベタを飼い始めたい方に人気です。
SNS上ではお洒落なメイソンジャーなどを使って
インテリア感覚で飼育を楽しんでいる例も
多く見かけますね。
しかし、こうした小さな容器は
水量が少ないぶんどうしても水が汚れやすく
形状上ろ過フィルターの設置も難しいため、
こまめな水換えによる対応が必要になります。
実際に2~3日に1回などの短いサイクルで
ほぼ全換水する飼い主さんもいるようですが、
これはあまり良いこととも言い切れません。
水換えによって起こる水温や水質の変化は
わずかでもベタの体には負担がかかります。
つまり、頻繁に水換えを行うということは
それだけベタの体にダメージを与えてしまう
ことにもなりかねないのです。
手軽で誰にでも簡単にできそうに見える
ボトルアクアリムですが、
実際は適切な水質管理を行うことができる
上級者向けだということを覚えておきましょう。
メリット | ・安く購入できる ・バリエーションが豊富 ・インテリア性が高い |
デメリット | ・水量が少ないため水が汚れやすい ・周辺機器を設置できない ・曲面が多くベタを鑑賞しにくい (=病気の発見が遅れる可能性がある) |
2.15cm~20cmの小型水槽
最近ではコンパクトで設置がしやすい
幅15~20cmほどの水槽も普及しつつあります。
一見小さく見えますが、
形が四角いぶんビンなどの円筒状の容器よりも
それなりの水量が確保できるものが多いので、
初めてベタを飼うなら
このあたりのサイズも悪くないでしょう。
小さな容器に比べれば、
飼育難易度はグンと下がります。
ただ、幅30cm未満の水槽は
規格が統一されていないため、
ろ過フィルターなどの周辺機器を
選びにくいのが少々難点です。
また、水槽が小さいとどうしても
フィルターからの水流が強くなりますが、
あまり水流が強い環境でベタを飼い続けると
泳ぎ疲れて弱ってしまう恐れがあります。
ベタはあのヒラヒラとした長いヒレのせいで、
泳ぐのが得意ではないのです。
そのため、フィルターを設置する場合は
水流を最小限に抑える工夫が必要になります。
メリット | ・置き場所を取らない ・ビンよりも水質管理がしやすい |
デメリット | ・設置できる周辺機器が限られる ・水流が強くなりやすい |
3.30cm水槽
出典:http://aquascapelounge.blogspot.com
量産向けに寸法が統一された規格水槽の中で
もっとも小さいのが30cm水槽です。
30cmというとベタ1匹を飼うには
ちょっと広すぎると感じるかもしれませんが、
水量が多いぶん水質が安定しやすく
ろ過フィルターの対応機種も豊富なので、
初心者さんにはもっとも扱いやすいでしょう。
季節や与える餌の量にもよりますが、
水換えも2週間に1回程度で十分です。
これくらいのペースなら
忙しい方でも無理なく管理できますね。
底面積のあるキューブ型を選べば、
流木、石などを組み合わせた
本格的な水槽レイアウトも楽しめます。
水草の茂みで隠れ家を作ってあげると
フィルターの水流対策にもなりますよ。
メリット | ・水質が安定しやすい (=水換えの頻度が少なくて済む) ・周辺機器のラインナップが豊富 |
デメリット | ・見た目がやや寂しい (※レイアウトなしの場合) |
4.60cm水槽
出典:http://norinori-aqua.cocolog-nifty.com/blog/
多種多様な水槽が販売されている中で、
もっとも普及率が高いと言われるのが
60cm規格水槽です。
こちらも水質管理のしやすさといった点では
初心者さんにおすすめのサイズなのですが、
ベタを飼う場合には一つ難点があります。
それは「水深」です。
ベタは呼吸のたびに水面に上がってくるため
水深は15~20cm前後に設定しておくのが
望ましいとされています。
しかし、それだと60cm規格水槽では
高さの半分ほどしか水を入れられないのです。
(※60cm規格水槽の高さは36cm)
もちろんそれでも飼育することはできますが、
水位を下げるならわざわざ大きな水槽を
選ぶ必要はないですよね(笑)
広々とした空間にベタ1匹、というのも
見た目的に寂しいものです。
そういった理由から
ベタ飼育用の水槽として選ばれることが
きわめて少ない60cm規格水槽ですが、
ベタのコレクションや自家繁殖を
目指している方にとっては良い面もあります。
大きな水槽は内部を仕切るなどの工夫をすれば
1つの水槽で複数のベタを飼育できる、
いわゆる”ベタマンション”になるのです。
なお、水槽を仕切る方法については
本記事の後半で解説していますので、
よろしければ参考にしてみてください。
メリット | ・水質を安定させやすい ・周辺機器のラインナップが豊富 ・工夫次第で複数飼育が可能 |
デメリット | ・置き場所を取る ・小型水槽より初期費用が高い ・ベタには水深が深すぎる |
ベタの水槽!立ち上げに必要なものは?
ここまでのお話で、
ベタを飼ううえで水槽がどれだけ重要なものか
皆さんにもお分かりいただけたかと思います。
「ビンやコップで気軽に飼える熱帯魚」
として知られるベタですが、
水の量が少なければ少ないほど
ベタの体にかかる負担は大きいのです。
では、水槽さえきちんとしたものを
選んでおけば良いのかというと、
決してそうではありません。
ベタ本来の美しさと健康を維持するためには
最低でも次のようなものが必要です。
ヒーター | 熱帯魚であるベタの飼育には必須。 温度可変式のタイプを選んでおくと 病気の治療や繁殖時にも対応できる。 |
水温計 | 水温管理の必須アイテム。 |
フィルター | なるべく水流の弱いものが望ましい。 (スポンジフィルターがおすすめ) |
照明 | 飼育に直接必要ではないが、 明るいほうがベタを観察しやすく 健康状態を把握しやすい。 |
カルキ抜き | 水道水に含まれる塩素を無害化する。 水換えのたびに必要。 |
ここで気になるのが初期費用ですが、
水槽とこれらの飼育用品を合わせて
約1万円~と考えておくと良いでしょう。
ベタの水槽!初めて飼うならセットがおすすめ?
「ヒーター」「フィルター」などと
一口に言ってもその種類は多種多様。
色々なものがたくさんありすぎて、
初心者さんはどれを選んだら良いのか
わからなくなってしまうかもしれませんね。
そんな時は、
水槽と飼育用品がセットになった商品を
うまく活用してみると良いでしょう。
たとえば、テトラ社からは
こんな飼育セットが販売されています。
セット商品の魅力は何といっても
水槽と飼育用品がほぼ一度で揃うこと。
こちらも幅30cm(水量約16L)のガラス水槽に
外掛けフィルター・ヒーター・LED照明と
ベタ飼育に欠かせないアイテムが
しっかり含まれています。
器材はすべて水槽に適したものが
チョイスされているので、
サイズ間違いなどの失敗もありません。
価格はAmazonだと6,160円。
水槽と飼育用品をそれぞれ単独で購入するより
初期費用が安く済むのも嬉しいですね。
最近はセット商品に注力するメーカーも多く
色々なタイプが販売されていますので、
予算や好みに合ったものを探してみてください。
ベタの繁殖に適した水槽の大きさは?
出典:http://eparterial58.rssing.com
ベタの飼育にある程度慣れてくると、
次は繁殖にも挑戦してみたいと
思うようになるでしょう。
ベタの繁殖を狙う時には、
産卵後の稚魚の育成のことも考えて
なるべく大きめの水槽を用意しておきます。
幅30~45cmはあったほうが良いですね。
卵から孵化したばかりのベタの稚魚は
成魚以上に水質の変化に弱く、
孵化後2週間くらいまでは水換えができません。
そのため、水量の少ない水槽だと
あっという間に水が汚れて
稚魚が弱ってしまう恐れがあるのです。
また、ベタのペアリングは非常に過激で、
たいていのオスは求愛の証として
メスがボロボロになるまで激しく攻撃します。
実際の様子はこちら。
こんな時にもある程度広いと
メスがオスの攻撃をうまく回避できるので、
大きなトラブルには発展しにくくなります。
水草などでメスの避難場所を作っておくと
より安全ですね。
ベタを多頭飼いしたい!水槽は分けるべき?
出典:http://honm-gun.hatenablog.com
ベタは気が強く好戦的な性格であることから
”1つの水槽につき1匹”の単独飼育が基本。
つまり、複数のベタを飼いたい時は
ベタの数だけ水槽を用意しなくてはなりません。
もちろんフィルターなどの周辺機器も
それぞれの水槽ごとに必要です。
しかし、それだとベタの数が増えるほど
管理の手間がかかることになりますし、
維持費用(主に電気代)も気になります。
そこでおすすめなのが、
先ほど60cm水槽の項でも触れた
”大きい水槽の内部を仕切る”という方法です。
実際に複数のベタを飼育している方は、
以下のような方法で水槽を仕切っています。
【複数飼育】水槽を仕切る方法
- 水槽の壁にサテライトを取り付ける
- 水槽の底にビンやプラケースを置く
- 仕切り板で区切る など
こちらのYouTube動画では、
内部を仕切ったサテライトが使用されています。
このように水槽を区切ることによって
水温や水質を一括で管理できるようになるので、
毎日のお世話にかかる時間や
金銭的な負担がグッと軽減します。
ただし、他のベタの姿が見える状態だと
仕切り越しに威嚇し合って疲れてしまうため、
仕切りを水草で覆ったり
色付きの仕切りをつけるなどして
うまく目隠ししてあげてくださいね。
なお、ベタのメスは
オスほど気性が荒くない個体が多いので、
1つの水槽で混泳させることも可能です。
まとめ
今回の記事では、
ベタの飼育水槽を選ぶうえで知っておきたい
水槽サイズ別のメリット&デメリットについて
解説してまいりました。
「コップで飼える=誰でも簡単に飼える」
というイメージを持たれがちなベタですが、
実際の飼育難易度は水槽のサイズによって
大きく変わるものです。
水量の多い水槽ほど水質や水温の管理がしやすく
ベタにかかる負担も少なくなるので、
これからベタを飼い始める初心者さんには
ぜひ余裕のある大きめの水槽を
選んでみてください。
筆者個人的にはレイアウトも楽しめる
30cmキューブがおすすめですね。
「ベタ1匹に30cm水槽なんて・・・」と
思うかもしれませんが、
自慢のヒレをなびかせてのびのび泳ぐ
ベタの姿はとても美しいものですよ。
水槽環境をしっかり整えて、
ベタ本来の魅力を存分に
堪能していただけたらと思います!
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