熱帯魚の中でも繁殖力が強く
数が増えやすいことで知られるグッピー。
これから繁殖に挑戦する方は
実際どれくらい増えるものなのか
ちょっと気になりますよね。
また、大切なグッピーが
出産という一大イベントを
経験するにあたって、
飼い主さんとしては
お母さんグッピーにとっても
赤ちゃんグッピーにとっても
快適な環境を整えてあげたいところです。
そこで今回の記事では、
グッピーが出産で産む稚魚の数や
出産しやすい環境の作り方などを
解説したいと思います。
初めて繁殖を試みる皆さんは
ぜひ参考にしてみてくださいね!
グッピーは一度の出産で稚魚を何匹産む?
放っておいても増えるほど
繁殖力が強いと言われるグッピーですが、
実際どこまで増えるものなのでしょうか。
こちらのYouTube動画では、
約3週間の間に産まれたという
グッピーの稚魚が紹介されています。
産まれた日ごとで管理されていますが、
どのケースにもたくさんの稚魚が
泳いでいますよね。
グッピーのメスが1回の出産で産む
稚魚の数はおよそ30~50匹。
初産の時だと
まだ体が出産に慣れていないせいか
これより少なくなることも多いですが、
出産回数を重ねるにつれて
稚魚の数も増える傾向があり、
ベテランのお母さんグッピーになると
なんと1回に100匹以上産むことも。
さらに、グッピーのメスの体内には
オスの精子を保存する器官があり、
1回の受精で2~3回出産します。
出産のサイクルは約28日。
つまり、グッピーは
オスとメスのペアが1組いるだけで
1ヶ月で30匹、2ヶ月で60匹・・・と
どんどん増える可能性があるのです!
このように爆発的に数が増えることから、
グッピーは別名”ミリオンフィッシュ”とも
呼ばれています。
繁殖に挑戦する際は、
増える数を見越したうえで
あらかじめ新たな飼育環境を
用意しておきたいですね。
グッピーの出産に適した環境を作るには?
グッピーは出産でたくさんの稚魚を
産むことがわかりました。
しかし、自然繁殖で
ここまで増やすのは難しく、
確実に増やしたい場合は
稚魚が産まれやすく育ちやすい環境を
整えておかなくてはなりません。
では、そうした環境を作るには
どのような準備が必要なのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
1.出産が近くなったら隔離する
産まれたばかりのグッピーの稚魚は
体長5mm前後と小さいため、
成魚や他の混泳魚と一緒にすると
餌と間違えて捕食されてしまったり
つつかれて死んでしまうことも。
そこで、確実に数を増やしたい時は
稚魚がある程度の大きさになるまで
隔離して育てるのが良いのですが、
グッピーは出産数が多いので
本水槽で産まれた稚魚を1匹1匹掬って
隔離用ケースに移動するよりも、
お母さんグッピーを隔離用ケースで出産させ
産み終えたら親魚だけ本水槽に戻すほうが
手間がかかりません。
ただ、この時に気を付けたいのが
”出産中のお母さんグッピーも
稚魚を食べることがある”
ということです。
これを避けるためにも、
隔離用のケースは以下のような
セパレート式のものを選ぶことを
おすすめします。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
このケースの底のV字部分には
わずかな隙間があいており、
産み落とされた稚魚たちは
この隙間を通り抜けて
下の安全ルームに入っていきます。
これなら産まれたそばから
お母さんグッピーに食べられる
心配はありませんね。
なお、お母さんグッピーを
ケースに隔離するタイミングは、
こちらの記事でご紹介している
”出産前の兆候”を目安にしてみてください。
2.出産時の水温は23℃
いよいよ出産が始まると、
お母さんグッピーは1~5分おきに
1~5匹のペースで稚魚を産みます。
ところが、
初めての出産で体が慣れていなかったり
お腹の中の稚魚が逆子だったりすると、
スムーズに稚魚を外に出せずに
苦しい状態が続いてしまうことも。
そんな時は、
水温を25~27℃くらいまで引き上げてやると
温度変化が程良い刺激となって
出産が促されると言われています。
万が一の時に変化をつけられるよう、
お母さんグッピーを隔離したケースの
水温は23℃くらいに設定しておきましょう。
昇温する際は、
体にダメージを与えるほどの
極端な高水温にならないように
慎重に行ってくださいね。
出産後のグッピーはどうしたらいい?
グッピーがすべての稚魚を産み終えるまでには
5~6時間かかると言われています。
ただ、これには個体差があるので、
早々に産み終わりと決めつけずに
気長に見守ってあげてください。
お尻を確認してみて、
稚魚の尾などが見えていなければ
出産を終えたと判断して良いでしょう。
この時点で本水槽に戻すと
出産で体力が落ちているところを
オスに追いかけ回されて
余計に体が弱ってしまうため、
出産後2~3日は単独で飼育して
ゆっくり過ごさせてあげてください。
次の出産に向けて体力が回復するように、
餌はブラインシュリンプや赤虫など
栄養価の高いものを与えるのがおすすめです。
別の水槽を用意するのが難しい場合は
オスから逃れることができるように
水草の茂みを作ってあげましょう。
グッピーは出産で死ぬことがあるって本当?
一般的に、グッピーの寿命は
およそ1年と言われていますが、
どちらかというと
オスよりもメスのほうが
短命になる傾向があるようです。
これにはメスの出産が
影響していると考えられており、
グッピーのメスは
生後約3ヶ月で成熟期を迎え、
寿命までのおよそ半年の間で
2~4回の出産をします。
出産にはかなりの体力を必要としますから、
それを短期間のうちに何度も繰り返せば
体には相当な負担がかかっているはずです。
出産を終えた後、
すっかり弱ってしまうメスを
しばしば見かけますが、
残念ながらそのまま力尽きたように
死んでしまうことも珍しくありません。
何とか助けようとして
薬浴や塩浴で治療を試みても、
回復させるのは難しいようです。
何もしてあげられないのは
飼い主さんとしては辛いでしょうが、
これが”天命”なのでしょう・・・。
小さな体で懸命に子を産み
命の尊さを教えてくれたことに感謝しつつ、
最後まで優しく見守ってあげたいですね。
まとめ
今回の記事では、
グッピーが出産で産む稚魚の数や
出産に適した環境の作り方などを
解説してまいりました。
グッピーを確実に繁殖させたい時は、
産まれてきた稚魚が育ちやすい環境を
しっかり整えておく必要があります。
しかし、稚魚の生存率が上がるぶん
増えすぎには十分注意してください。
ある程度の数が増えてきたら、
隔離せずに自然繁殖に任せるというのも
一つの手です。
自分の水槽環境に合わせて、
計画的に繁殖を行うようにしましょう!
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