ポメラニアンは、ブラウンや
オレンジの毛色が一般的ですよね。
でも実は色々な毛色があって、
それぞれに名前がついています。
発現しやすい毛色もあれば
発現しにくい毛色もあるので、
同じ体格のポメラニアンという犬種でも
レアカラーと呼ばれる個体が存在します。
その中でもレアなのは、
ブルーマールと呼ばれる毛色。
シェルティで見たことある方は
多いのではないでしょうか。
端的に言えば、大理石模様。
ポメラニアンではシェルティ以上に
レアで、その美しい見た目から
惹かれる人も多いです。
でも、この毛色には
危険も潜んでいるんです。
毛色は両親の遺伝子を組み合わせて
作られるんですが、組み合わせ次第では
病気が発現することもあるんです。
そこで、
- ブルーマールについて
- ブルーマールで発現しやすい病気
- 似た色のブルータンについて
これらを紹介してきます。
どうしてもブルーマールの
ポメラニアンを飼いたくて探して、
というときには、特徴や危険性も
きちんと知ったうえで
もう1度考えてみてください。
ポメラニアンのブルーマールは病気になりやすいって本当？
率直に言うと、
ポメラニアンのブルーマールは、
遺伝子の組み合わせによっては
病気が発現しやすいといえます。
毛色の遺伝子というのは
性染色体などの遺伝子に乗って
両親から受け継ぐんですが、
その組み合わせにより
様々な色が発現します。
ブルーマールを引き起こす
マール遺伝子は、メラニン異常を
起こす遺伝子。
両親とも一見健康で見た目だけが
ブルーマールの個体だとすると、
マール遺伝子が運よく毛色にだけ
作用したと考えられます。
このマール遺伝子を持つもの同士が
ふたつ重なってしまうと
病気になる遺伝子も濃く受け継ぐことに
なり、生まれてきた子犬が
何らかの疾患を持っている、
これから発現するリスクが
格段に高まるんです。
ちょっと難しい話なんですが、
ついてこれてます？
ポメラニアンのブルーマールが病気になりやすい原因はミスカラー
動画はブルーマールのポメラニアンです。
ミスカラーとは、両親に発現していない
劣性遺伝の毛色が発現してしまうことに
より起きる、定番色に
一部だけ白い毛色が混ざった模様
のことです。
公式な毛色としては、登録されていない
毛色になります。
ドッグショーに出したりする
わけじゃなければ、一部だけなら
むしろ個性。
健康にも問題はありません。
ブルーマールも、
ミスカラーの一種です。
でも、こちらは健康面にも
危険性が潜んでいます。
マール遺伝子とは毛の色から
黒色（メラニンの色）を抜く遺伝子
なので、元々メラニンにより
身体を防御したい生物としては
異質な遺伝子。
シロクマのように、生きていくうえで
必要にかられて白くなったわけでは
ありません。
わざと遺伝子を濃くしていこうとすると
近親交配と同じような状態になり、
マール遺伝子が原因の病気以外の病気も
引き起こしやすくなります。
ポメラニアンのブルーマールに多い3つの病気の症状とは
ポメラニアンのブルーマールに、
発現しやすい病気があります。
マール遺伝子がメラニンに働きかけると
いうことから、メラニンが
関わってくる場所にトラブルを
起こしやすい傾向になります。
犬ではなく猫ですが、
「青い目の白猫が難聴が多い」という
迷信なのかほんとなのかという話、
聞いたことある人いるんじゃ
ないでしょうか。
これはダーウィンが
提唱していたそうですよ♪
1．眼球や視覚の病気や障害
まさにメラニンが重要な役割をしている、
眼の細胞に異常がでることがあります。
網膜のメラニン細胞の形成が
不十分なことで、視覚異常が
起き得るんです。
ブルーマールのわんちゃんって、
ポメラニアンに限らず
青い目をしている子が
多くありませんか？
あれは、本来茶褐色が多いはずの目の
メラニン細胞が少ないことに
由来しています。
中には、弱視どころか盲目の子が
産まれる可能性もあるそうです。
また、小眼症という、眼球が小さい
個体も生まれることがあるそうです。
2．聴覚がない・ほとんどない
耳の蝸牛という器官における
メラニン細胞の配置が胎児のときに
されないと、難聴を引き起こすことも
あります。
メラニンの合成をしなくても良い
器官ではあるので、
メラノサイトとしての働きをしてくれる
場合には難聴にはなりませんが、
メラノサイトとして働いてくれない場合
には難聴になるという仕組み。
そのため、たとえマール遺伝子が
濃くても難聴じゃない子もいます。
3．心臓の病気や障害
メラニンに関わるところ以外にも、
全体的に身体が弱い傾向にあるのが
ブルーマールの特徴です。
心臓病など、もともとポメラニアンに
発生が多い病気の率も上がりますし、
他の内臓疾患の罹患率も高いです。
近親交配のせいかマール遺伝子が
影響しているのかははっきりして
いませんが、目や耳が無事であっても
病気のリスクが高い状況なんです。
ポメラニアンのブルーマールの寿命は短いの？
上記で述べたように、ブルーマールの
個体は身体が弱いことが多いです。
そのため、元々ポメラニアンが
罹患しやすい消化器系の疾患にも
なりやすいでしょうし、
心臓が弱いかもしれません。
全部が全部じゃありませんが、
ブルーマールのポメラニアンは
総合的に見ると寿命が短いと
言えそうです。
ポメラニアンはブルータンもミスカラーなの？
ブルータンはブルーに褐色の
ポイントがついた模様なんですが、
ジャパン・ケンネル・クラブの基準から
いくとブルー自体が
あまり望ましくない色のようです。
レアカラーと呼ばれる淡い色の毛色は、
どんな犬種でも病気のリスクが
上がるため公認の毛色には
登録していません。
白いポイントではないため
タンの一種ではありますが、
黒い毛のメラニン色素が
ところどころ抜けてできているという
ことを考えるとメラニンに異常は
ありそうです。
まとめ
ブルーマールについて、発生の機序や
リスクは理解できましたか？
- ブルーマールの毛色はメラニン細胞の
異常によるもの - 両親からマール遺伝子を受け継ぐと、
病気の発現リスクが上昇する - ブルーマールの個体は
死産や短命の可能性が高い
ポメラニアンは意外にたくさん毛色が
あり、美しい毛色に惹かれるのも
分かります。
しかし、毛色によっては
病気のリスクがあることを
十分理解してください。
血統を守っていくためには
できれば弱い遺伝子は繁殖させないのが
基本で、ブルーマールは
繁殖させてはいけない個体に
区分されます。
どうしてもブルー系じゃないと
いけませんか？
眼が茶色で、ほんわかしたオレンジじゃ
だめでしょうか。
求める人がいる限りは
悪徳ブリーダーが繁殖させるので、
ケンネル・クラブがどれだけ頑張っても
「レアもの」を増やすという悪循環が
消えません。
健康で、沢山遊んで沢山食べてくれたら、
それで良いのではないでしょうか。
ブルーマールが欲しい！という人は、
厳しいことを言いますが本当に
その動物のことを考えていますか？
よく考えてみてくださいね。
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