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ベタの稚魚の餌!切り替えのタイミングや回数を徹底解説

ベタの稚魚の餌

見た目以上に体が丈夫で
飼いやすい魚として知られるベタですが、
繁殖の難易度は高いと言われています。

それは、稚魚期の餌の確保が難しいから。

卵から孵化したばかりのベタの稚魚は
とても体が小さいため、
食べられる餌の種類が少ないのです。

では、美しく立派な
大人のベタへと成長させるには、
どのような餌を与えたら良いのでしょうか。

そこで今回の記事では、
稚魚期の小さなベタに最適な餌を
成長段階別に解説したいと思います。

餌の切り替え時期や量・回数、
食べない時の対処法などについても
ご紹介していますので、
ぜひ参考にしてみてくださいね!

ベタの稚魚が大きくならないのは餌が問題!?

冒頭でも触れたように、
ベタの繁殖に失敗しやすい理由は
”稚魚期の餌”にあると言われています。

孵化したばかりのベタの稚魚は
とても体が小さいため、
人工飼料などの普通の餌を
食べることができません

そのため、稚魚の口でも食べられる
特別な餌を用意してやらなければ、
やがて栄養不足で死んでしまうのです。

つまり、逆を言えば
餌をしっかり食べさせることができれば
稚魚の生存率を高められるということ。

稚魚の体の成長段階に合わせた餌を選び、
美しく立派な一人前のベタへと
成長させていきましょう。

ベタの稚魚の餌!切り替えはいつからがベスト?

稚魚期の熱帯魚に与える餌は
”ブラインシュリンプ”が
選ばれることが多いですよね。

グッピーやプラティのような
卵胎生の魚の稚魚なら
細かくした人工餌も食べられます。

しかし、ベタの稚魚の小さな口では
ブラインシュリンプや人工餌は
大きすぎて食べることができません

そこで最初のうちは
微生物のようなごく小さな餌を
与えてやる必要がありますが、

同じ餌ばかり与え続けていると
栄養に偏りが出てうまく育たないので
稚魚の体の成長に合わせて
餌の種類を切り替えていきます。

ただ、稚魚の成長する速度は
個体差や飼育環境によっても異なるため、

餌を切り替えるタイミングについては
”産まれてから○日後”といったように
明確に決まっているわけではないんですね。

ここは飼い主さんの判断になりますが、
稚魚の飼育に慣れていない方にとっては
難しいところだと思いますので、

次項でご紹介する稚魚に適した餌の種類と
それぞれの切り替え時期の目安を
ぜひ参考にしてみてください。

ベタの稚魚の餌!3つの種類と切り替え時期を紹介

稚魚期のベタの餌は成長段階に応じて
主に以下の3種類が用いられます。

  1. インフゾリア
  2. ブラインシュリンプ
  3. 人工餌

では、それぞれの餌の特徴や与え方、
切り替え時期の目安を見ていきましょう。

1.インフゾリア

卵から孵化したばかりの稚魚は
お腹の”ヨークサック”と呼ばれる袋から
栄養分を吸収しているため、
餌を与える必要はありません。

この袋は孵化後2~3日にはなくなり、
それと同時に稚魚たちは
自力で泳ぐことができるようになります。

給餌を開始するのはこのタイミング。

最初の餌としては一般的に
”インフゾリア”が用いられます。

インフゾリアとは
水中にいるゾウリムシなどの
動物性プランクトンの総称で、
皆さんの水槽内にも生息しています。

ただ、それだけでは稚魚の餌として
十分な量を確保するのは難しいので、
増やしてやらなくてはなりません。

インフゾリアの増やし方
  1. インフゾリアの卵を購入し、
    別容器に用意した飼育水の中に入れる。
  2. 少量のキャベツを手で揉み、
    水の中に入れる。
  3. 2~3日して水面付近に白い濁りが出る。
    これをスポイトなどで吸い取って、
    稚魚に与える。

インフゾリアは増やすこと自体は
それほど難しくはないのですが、
増える過程で腐敗臭を放つことがあります。

臭いが気になるという方は
生体が販売されていますので、
そちらを与えてみると良いでしょう。

また、卵の入手が難しい場合は
次項でご紹介する「PSB」で代用できます。

2.ブラインシュリンプ

孵化してから5~6日経つと
稚魚の体も少し大きくなるので、
餌を”ブラインシュリンプ”に
切り替えてみましょう。

ブラインシュリンプとは
世界中の塩水湖に生息している
小型甲殻類の一種で、

高栄養で消化吸収にも優れていることから
熱帯魚の稚魚の初期試料として
広く用いられています。

ブラインシュリンプは通常
休眠卵を乾燥させた状態で販売されており、
それを孵化させたものを稚魚に与えます。

ブラインシュリンプの孵化方法
  1. ペットボトルなどの容器に塩水を入れ
    水温を25℃前後に調整する。
  2. 卵を入れて24時間ほど置いておく。
  3. 孵化したブラインシュリンプを
    スポイトで吸い取り稚魚に与える。

ブラインシュリンプはなるべく
孵化した直後の新鮮な状態のものを
与えるようにしましょう。

時間差で孵化させられるように
複数の容器を用意しておくと良いですね。

また、食べ残しは水質悪化の原因になるので
スポイトなどでこまめに取り除いてください。

3.人工餌

孵化してからおよそ1ヶ月後、
稚魚の体長が1cmほどに成長したら
人工飼料を与えられるようになります。

ここまでくれば、
飼い主さんの手間もグッと減りますね。

もし稚魚に与えてみて
食べにくそうにしているようなら、
すり鉢などで細かく潰してあげてください。

与えてもまったく食べない場合は
まだ人工餌を食べ物だと
認識できていないのかもしれません。

その場合はいきなり切り替えるのではなく
ブラインシュリンプと同時に与えて
少しずつ慣らしていきましょう。

ベタの稚魚の餌はPSBでも大丈夫?いつから入れたら良いの?

ベタの稚魚に最初に与える餌は
”インフゾリア”が一般的ですが、

自宅で増やすのが難しかったり
市販の卵を入手できない場合は
「PSB(水質調整剤)」で代用できます。


出典:https://www.amazon.co.jp

PSBとは「紅色無硫黄細菌」
(purple non sulfur bacteria)の略で、
動物性プランクトンを増殖するための
光合成細菌です。

生体の排泄物や餌の食べ残しから発生する
アンモニアや亜硝酸などの有害物質を
分解するはたらきがあることから、

本来は飼育水の水質を安定させることを
目的として用いられるものですが、

液体中には必須アミノ酸や核酸、
ビタミンなどの栄養分も豊富に含まれており、
稚魚の育成にも効果的だと言われています。

使い方もとても簡単で、
稚魚が産まれたら
水槽に数滴ずつ添加するだけ。

(※各製品の規定量をご確認ください。)

これで稚魚の最初の餌となる
動物性プランクトンが増殖します。

ブラインシュリンプに切り替える際も、
きちんと食べられるか心配な場合は
しばらく添加を続けてみると良いでしょう。

ただ、PSBもインフゾリアと同じように
独特のきつい臭いがするので、
使用の際は手や衣類に液が付着しないように
気を付けてくださいね。

ベタの稚魚の餌!回数はどのくらいの頻度?

稚魚期のベタは大きくなるために
たくさんの栄養分を摂取する必要があります。

しかし、卵から孵化した直後は
まだ内臓が十分に発達しておらず
一度にたくさんの量を食べられないので、

できれば1日分の餌を複数回に分けて
こまめに与えてあげましょう。

食べ残しが出ると飼育水が汚れるので、
1回に与えるのは1~2分で食べきれる量
目安にしてください。

最初は加減が難しいかもしれませんが、
稚魚が餌を食べる様子を観察していれば
次第にわかってくるはずですよ。

ベタの稚魚が餌を食べない!対処法はある?

ベタの稚魚が餌を食べないという時には、
以下の2つが原因であることが多いです。

  • 飼育水の温度が低すぎる
  • 餌が大きすぎる

ベタは変温動物ですので、
水温が低くなると体の活性が低下
餌を食べられなくなってしまいます。

稚魚の育成に適した水温は27~28℃。

真冬や寒暖差の激しい時期には
ヒーターを使って調整しましょう。

また、一度口に含んだものを
吐き出してしまうという時は、
餌が大きすぎるのかもしれません。

与える餌の種類を変えるか、
人工餌の場合は細かく潰して
与えてみましょう。

⇒ベタが餌を食べない&吐き出す!おすすめの量やあげ方は?

なお、ベタが餌を食べない理由や
正しい餌の与え方については
こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

ベタを繁殖させたい!おすすめの餌は?

繁殖というと、
”いかに稚魚をうまく育てるか”を
メインに考えがちですが、

繁殖の成功率を上げるためには
親魚となるオスメスの栄養状態にも
気を配ることが大切です。

特に体格が良く健康的なメスから
産まれた卵は通常よりも大きめで、
孵化した稚魚もそのぶん体が大きくなります。

最初からある程度体が大きいと
餌もしっかり口に入るので、
育成の初期段階では
かなり有利だと言えるでしょう。

繁殖に適した体を作るには、
”飽和給餌”といって満腹になるまで
たっぷり餌を与えるのがポイントです。

ただしベタは一度にたくさんの量を
食べることはできませんので、

稚魚を育てるのと同じように
1日分の量を複数回に分けて
こまめに与えるようにします。

餌の種類は市販の人工餌のほか
イトミミズや赤虫なども好んで食べるので、
バランスよく与えてみてください。

ベタの稚魚が食べられる!?隔離の方法は?


出典:http://aquana.jp

ベタのオスは闘争本能が強く
気性が荒いと言われていますが、

産まれてきた自分の子ども(稚魚)が
ある程度育つまで面倒をみるという
愛情深さも持ち合わせています。

巣から離れた稚魚を元に戻そうと
口にくわえてせっせと運んでいる姿は、
まさに”イクメン”そのものです。

しかし、この時期にオス親の食欲を
刺激するようなことをすると、
稚魚を食べてしまうことがあります。

そのため、子育て中のオスには
餌を与えないようにしてください。

また、稚魚のお腹についている
ヨークサックがなくなり
自力で泳げるようになったら、
そこでオスの役目は終了です。

そのまま一緒の水槽に入れておくと
オスが稚魚を餌として認識して
捕食する恐れがありますので、
早めにオスを別の水槽に移しましょう。

ベタの餌!旅行に行く間はどうしたらいい?

ベタの飼育中に出張や旅行などで
数日家を空けなくてはならないことも
時にはあるでしょう。

では、留守の間の餌やりは
どうしたら良いのでしょうか。

ベタは成魚であれば
1週間くらい餌を与えなくても
死ぬようなことはほぼありません。

しかし成長途中の稚魚の場合は、
1~2日餌を与えないだけでも
栄養不足で死んでしまう個体が
出てくる可能性があります。

なので、できれば身近な人に
留守中の餌やりを
お願いしておきたいところですが、

どうしても難しい場合は
各メーカーが販売する”自動給餌器”を
利用するというのも一つの手です。


出典:https://www.amazon.co.jp

自動給餌器を水槽に設置して
日付と時間を設定しておくと、
自動的に給餌を行ってくれますよ。

ただし、やはり機械ということで
故障などの思わぬトラブルが
発生する恐れもあります。

また、人間が給餌する時のように
まんべんなく餌を撒くわけではないので、
餌にありつけずに弱ってしまう個体も
出てくるかもしれません。

とても便利なアイテムではありますが、
使用する場合はリスクが伴うことを
しっかり理解しておきましょう。

⇒ベタの餌!旅行で1週間あげないのは危険なの?

なお、留守中の餌やりについては
こちらの記事でも解説していますので
よろしければ参考にしてみてください。

まとめ

今回の記事では、
ベタの稚魚の成長段階ごとの餌の種類や
食べない時の対処法などについて
解説してまいりました。

産まれてきたすべての稚魚を
大人になるまで育てることは
ほぼ不可能だと言われるベタですが、

餌をしっかり与えて成長を促すことで
生存率を高められます。

最初のうちは人工飼料を食べられないので
飼い主さんが手間をかけてやる
必要がありますが、

稚魚もそれに応えるようにして
元気に育ってくれることでしょう。

美しく立派なベタが育つと良いですね!

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