ベタがもっとも美しく見えるのは、
自慢のヒレを目一杯に広げて
”フレアリング”を行う瞬間。
これを見せてくれるのを楽しみにして
ベタを飼ったという方も
多いのではないでしょうか。
ところが、ベタの中には
フレアリングをまったくしない
個体もいるようです。
飼い主さんとしては
ちょっと寂しく感じると同時に、
体調が悪いのではないかと
心配にもなりますよね。
そこで今回の記事では、
ベタがフレアリングをしない理由や
フレアリングの正しいやり方について
解説したいと思います。
ぜひ参考にしてみてください!
ベタのフレアリングは威嚇なの?
まず、ベタのフレアリングには
どのような意味があるのでしょうか。
そもそもフレアリングとは、
ベタが他の魚を威嚇する時に取る行動です。
本来ベタは縄張り意識がとても強く、
他魚が自分の縄張りに入ってくると
ヒレやエラを広げて体を大きく見せることで
相手を追い出そうとするのです。
また、フレアリングは
オスベタが自分の気に入ったメスに
求愛する時にも行われることがあります。
こうして自慢のヒレを大きく広げた姿は
鑑賞用として品種改良されたベタの美しさが
もっとも際立つ瞬間だと言われており、
この美しい姿を眺めて楽しむのが
ベタ飼育の醍醐味の一つでもあります。
しかし、実はフレアリングは
ただその姿が美しいだけではなく、
ベタの健康にとっても
非常に重要な役割を担っています。
ベタは普段ヒレを完全には広げずに
たたんだ状態で過ごしていますが、
長期間ヒレを広げないままでいると
重なり合ったヒレが癒着を起こして
くっついてしまうのです。
そのため、飼育環境下では
ヒレを綺麗に維持するために
適度にフレアリングさせるのが
望ましいとされています。
ベタがフレアリングをしないのはなぜ?
先ほどお話したように、
ベタのフレアリングは威嚇行為です。
そのため、飼育環境下では
他の個体と対面させたりして
ベタの闘争本能を刺激することで
フレアリングをさせますが、
中にはフレアリングをさせようとしても
まったく無反応のベタもいるようです。
しかし、やらないからといって
無理にさせようとしてはいけません。
まずはなぜフレアリングをしないのか、
その理由を明らかにしましょう。
ベタがフレアリングしない理由
- 体調が良くない
- 水温が低すぎる
- フレアリングに飽きた など
ベタの体調不良が理由の場合は、
フレアリングをさせるよりも先に
病気の治療を優先してください。
また、ベタは水温が低くなると
体の活性が下がり動きが鈍ってきます。
ベタの適性水温は25~28℃。
室温での調整が難しい時は
水槽用ヒーターを設置しましょう。
以前はフレアリングをしていたのに
いきなりしなくなった、という場合は
ベタ自身がフレアリングをすることに
飽きてしまったのかもしれません。
美しい姿を見ていたいからといって
頻繁にフレアリングさせていると、
ベタもそのうち飽きてやらなくなります。
フレアリングのやりすぎも
ベタにとってはストレスになるので、
回数や時間を守って
適度にさせることが大切です。
ベタにフレアリングをさせよう!やり方や頻度は?
先ほどお伝えしたとおり、
フレアリングはベタの美しさや健康を
維持するためにも大切なこと。
そこで、飼育環境下では
定期的にフレアリングさせる機会を
作ってやる必要があります。
では、ベタにフレアリングをさせるには
どうしたら良いのでしょうか。
1.フレアリングのやり方は?
ベタのフレアリングは威嚇行動ですから、
フレアリングをさせたい時は
威嚇の対象となるものが必要です。
ベタを複数匹飼育しているのであれば、
水槽のガラス越しに別のベタの姿を
見せるだけでフレアリングを始めます。
飼育しているベタが1匹だけの場合は、
鏡を使って自分の姿を見せてやりましょう。
そうすると鏡に映った自分を敵だと勘違いして
フレアリングするはずです。
中にはペンなどの先の尖ったものや
ヒラヒラしたものに反応するベタもいるので、
自分のベタが何に対してフレアリングするのか
色々試してみても面白いかもしれません。
まれに飼い主さんを相手に
フレアリングする子もいます(笑)
2.フレアリングさせる頻度は?
フレアリングはベタの美しさと健康を
維持するために大切なことですが、
頻繁にやりすぎると
ベタ自身が飽きてやらなくなるほか、
フレアリングによって体力を消耗して
弱ってしまう恐れがあります。
フレアリングは1日1回、
時間は10分程度を目安にしましょう。
やりすぎを防止するために、
フレアリングをさせない時は
対象物(別の個体や鏡など)が
ベタから見えないようにしておきます。
ベタのフレアリングはストレスや便秘の解消にもなる!?
ベタは他魚への攻撃性が強いため、
単独での飼育が基本です。
しかし、1匹だけでおとなしく過ごすのも
実はベタにとってはストレスなのだとか。
また、あまり動かずにいるのが原因で
便秘になることもあるようです。
実は、フレアリングは
そんなベタが密かに抱えているストレスや
辛い便秘もすっきり解消してくれます。
ベタにとってフレアリングは
身体的にも精神的にも程良い刺激と
なっているんですね。
フレアリング直後に勢いよく糞をしたり、
糞をパラパラとまき散らしながら
フレアリングをする子もよくいますよ(笑)
また、ベタの便秘は
餌の与え方が問題で起こる場合もあります。
こちらの記事ではベタの餌の与え方について
詳しく解説していますので、
よろしければ参考にしてみてください。
ベタがフレアリングをやりすぎ!やめないのはどうして?
先ほどお伝えしたように、
ベタのフレアリングは必要以上に
やりすぎてもいけません。
しかし、一度フレアリングをさせると
なかなかやめようとしないベタも
いるようです。
ベタがフレアリングをしすぎる時は、
ベタの闘争本能を刺激するような何かが
水槽の近くにある可能性があります。
まずはベタが何を相手に
威嚇しているのかを探ってみましょう。
鏡やボールペン(先が尖ったもの)など、
思い当たるものはないでしょうか。
対象物が判明したら、
すみやかに片付けてください。
移動するのが難しいものならば、
ベタから見えないように
紙などで仕切りを作ると良いですよ。
多くの場合はこれで
フレアリングをやめてくれるはずです。
ベタのフレアリングでメスが暴れる!逃げる!どうしたらいい?
また、フレアリングは
オスベタがメスに求愛する時にも
行われることがありますが、
中にはオスがヒレを広げる姿を見て、
暴れたり逃げたりするメスもいます。
これはメスがまだ性成熟していない証拠。
オスを受け入れるには若すぎるんですね。
繁殖が可能なメスなら、
自らオスに近付いていくはずです。
また、成熟したメスは
胸ビレのあたりに”産卵管”と呼ばれる
白い突起物が確認できるようになり、
お腹まわりもふっくらとしてきます。
繁殖用のメスを選ぶ際は、
これを目安にすると良いでしょう。
まとめ
そこで今回の記事では、
ベタがフレアリングをしない理由や
フレアリングの正しいやり方について
解説してまいりました。
大きなヒレをいっぱいに広げて
フレアリングをするベタの姿は
大変美しいものですが、
なかなか見せてくれない、
もっと見せてほしいからといって
無理にさせようとするのはNG。
まずはフレアリングをしない原因を改善し、
フレアリングをさせる時は必ず
回数や時間を守って行いましょう。
正しくフレアリングをさせてあげれば、
ベタはより一層美しく健康的に
成長してくれるはずですよ!
コメント