ベタは見かけによらず食いしん坊で、
中には人間が水槽に近寄ると
餌をおねだりする仕草を見せる子も。
そんな可愛い姿を見せられると
つい餌をたくさんあげてしまう、という
飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
ところが、そんなベタでも
時には餌を食べようとしなかったり
吐き出してしまうことがあります。
いつもの食べっぷりが見られないと、
病気ではないかと心配になりますよね・・・。
しかし、ベタの食欲不振の原因は、
実は飼い主さん自身の餌のあげ方に
問題があることも少なくありません。
そこで今回の記事では、
ベタが餌を食べない理由と対処法、
適切な餌の量や回数について
詳しく解説していきたいと思います!
ベタが餌を食べない&吐き出す!5つの主な理由と対処法
食欲旺盛なはずのベタが餌を食べない、
口に含んでも吐き出してしまう・・・。
そんな時は以下の5つが
原因であることが多いようです。
- 餌を食べ過ぎている
- 餌の大きさ・硬さが合っていない
- 餌が底に沈んでいて気付かない
- 飼い始めで環境に慣れていない
- 病気で食欲がない
では、それぞれについて
詳しく見ていきましょう。
1.餌を食べ過ぎている
いくらベタが食いしん坊とはいえ、
お腹がいっぱいになってしまえば
当然それ以上は食べられません。
特にベタのお腹が張っているような時は
餌を食べ過ぎている可能性が高いので、
餌の量や回数を見直してみてください。
ベタも私たち人間と同じで
食べ過ぎは消化器官に大きな負担がかかり、
やがて消化不良や便秘などのトラブルを
引き起こす恐れがあります。
ベタの中には飼い主さんの顔を見ると
「ご飯ちょうだい!」と言わんばかりに
アピールしてくる子もいますが、
可愛いからといって必要以上に
餌を与えるのはやめましょうね。
2.餌の大きさ・硬さが合っていない
ベタの体に対して餌の粒が大きすぎたり
口に入れてもうまく飲み込めずに
吐き出してしまうことがあります。
餌が硬すぎる場合も同じです。
餌の粒を細かく砕いたり
水に浸けてふやかすなど、
食べやすくなるように工夫してみましょう。
ただ、これまで問題なく食べていた餌を
突然吐き出すようになったという場合は、
その餌に飽きてしまったのかもしれません。
一度飽きるとなかなか食べなくなるので、
別のタイプの餌に切り替えて様子を見るか
2種類以上の餌を日替わりで与えて
味に変化をつけてみると良いでしょう。
3.餌が底に沈んでいて気付かない
ベタは水面に浮かんでいる餌を
積極的に食べようとする傾向があります。
熱帯魚用の人工飼料は
水面に浮くタイプと底に沈むタイプの
二種類が販売されていますが、
沈むタイプの餌は与えても気付かない、
あるいは餌と認識していないことがあるので、
餌は水に浮くタイプのものを選びましょう。
4.飼い始めで環境に慣れていない
私たち人間も引越しなどで環境が変わると
不安や緊張で本来の自分を出せなくなって
しまうことがありますよね。
ベタも同じで、ショップから迎えた直後は
新しい環境や飼い主さんに対する
警戒心から餌を食べないことがあります。
そんな時は無理やり食べさせようとせず、
ベタの様子を見ながら少しずつ
餌を与えていきましょう。
何も食べない日が続くと心配になりますが、
大人のベタは1週間くらいであれば
餌を食べなくても大丈夫です。
ベタ自身が新しい環境に慣れるまで
気長に見守ってあげてくださいね。
5.病気で食欲がない
基本的に丈夫だと言われるベタですが、
時には病気にかかってしまうことも。
食欲不振のほかに、
いつもと変わった様子はないか
チェックしてみましょう。
ベタの病気のサイン
- おかしな泳ぎ方をしている
- 元気がなくじっとしている
- 体表に内出血や斑点がある
- ヒレがボロボロになる
- 鱗が逆立つ など
上記のような症状が見られる時は、
餌を食べさせるよりも
病気を治すことが最優先です。
塩浴や薬浴など症状に応じた治療を
すみやかに行ってください。
また、ベタの病気は
水温の急変や水質の悪化などが原因で
発症することが多いです。
病気を治療すると同時に、
水温・水質の管理方法についても
今一度見直してみましょう。
ベタの餌のあげ方!量や頻度はどれくらいがいいの?
ベタが餌を食べようとしない、
あるいは吐き出してしまう時の
原因として特に多いのは、
実は飼い主さんの”餌の与え過ぎ”。
ベタはとても食欲旺盛な魚ですが、
食べ過ぎは健康に悪影響を及ぼすため
飼い主さん自身が餌の量や頻度を
しっかり管理しなくてはなりません。
では、ベタに与える餌の量や回数は
一体どれくらいが適切なのでしょうか。
1.回数や頻度はどれくらい?
ベタは金魚やメダカなどと違って
胃を持つ魚(有胃魚)ですが、
胃のサイズはとても小さく
ベタの目玉ほどしかありません。
一度に大量の餌を食べると
その小さな胃に負担がかかって
消化不良を起こしやすいので、
できれば1日分の量を2~3回に分けて
与えてあげるのが理想です。
しかし、飼い主さんの都合によっては
こまめな餌やりが難しいこともあるでしょう。
こちらの記事では
旅行などでベタに餌をあげられない時の
対処法を詳しく解説していますので、
ぜひ参考にしてみてください。
2.量は少なめがいいって本当?
市販の人工飼料のパッケージには、
よく「数分で食べきれる量を与えてください」
などと記載されていますよね。
しかし、実際この量だと
ベタにはちょっと多いかもしれません。
1回の餌の量は人工飼料なら1回3~4粒、
ベタのお腹が軽く膨れるくらいを
目安に与えましょう。
赤虫など他の餌を食べさせる時も
同じくらいのボリュームにします。
「たったそれだけ・・・?」と思う方も
いらっしゃるかもしれませんが、
餌を少なめに与えるのは熱帯魚飼育の基本。
私たち人間も熱帯魚も同じで、
健康に良いのは”腹八分目”なのです。
また、以下のYouTube動画のように、
餌を与える時は1粒ずつ
水面に落としてあげましょう。
ベタが餌を1粒口に入れたら数秒待って、
また1粒水面に落とす、という感じですね。
こうするとベタの小さな胃でも消化しやすく、
満腹になるにつれて食い付きが落ちてくるので
飼い主さん自身も適量を見極められるように
なるはずですよ。
ベタの餌の種類!主流の4つを紹介
ベタは基本的に雑食で
口に入るものなら何でも食べますが、
毎日同じ餌ばかり与えていると
そのうち飽きて食べなくなることも。
また、ベタの健康を考えるうえでも
餌は一種類ではなく複数の種類を
バランス良く与えたいところです。
では、ベタが食べる餌には
どのようなものがあるのでしょうか。
1.人工飼料
人工飼料にはベタの美しさと健康を保つために
必要な栄養がバランス良く含まれているので、
日常的に与える餌(主食)としては
もっともおすすめです。
ある程度保存がきくので
飼い主さんも管理しやすいですね。
ベタ用の人工飼料は各メーカーから
様々な種類が販売されていますが、
中でも愛用者が多いのはこちら。
キョーリンの「ひかりベタ」は
1粒あたりの大きさが約1.3mmと
市販のベタ用の人工飼料の中で
もっとも小粒。
また、人工飼料は
開封後の劣化が気になるものですが、
こちらは内容量2gと少量なので
鮮度の高いうちに使い切ることができます。
さらに価格も100円台~と安価で、
取り扱い店も多く入手がしやすいのも
飼い主さんとしては嬉しいですね。
もちろん栄養バランスも申し分なく、
こちら一つだけでも十分健康的に
ベタを育てられますよ。
2.イトミミズ
観賞魚の生き餌として
もっともポピュラーなイトミミズ。
イトメとも呼ばれていますね。
あの独特の動きが食欲をそそるのか、
ベタの食い付きは抜群です。
ただ、生き餌はどうしても
飼育水を汚しやすいので、
主食として毎日与えるのではなく
人工飼料の食べ飽きを防ぐ意味で
たまに与える程度が良いでしょう。
もし長くて食べにくそうにしている場合は、
細かく刻んで与えてみてください。
また、イトミミズの見た目に抵抗がある、
生き餌の管理が難しい、という方には
乾燥タイプも販売されています。
3.赤虫
赤虫とはユスリカの幼虫(ボウフラ)で、
釣り餌としてもよく用いられます。
熱帯魚用の人工飼料としては
乾燥タイプと冷凍タイプが販売されており、
1回の給餌量が少ないベタには
乾燥タイプがおすすめ。
高たんぱくで栄養豊富なので、
成長期や病後の回復を促したい時に最適です。
ただ、赤虫は外側の殻が硬く
消化不良を起こしやすいので、
一度に大量に与えるのは避けましょう。
4.ミジンコ
ミジンコは水中に生息する
小型甲殻類の一種で、
ベタをはじめとする多くの淡水魚が
好んで食べる餌でもあります。
体長0.5mm~と小さく栄養価も高いので、
稚魚期の餌としても最適です。
環境さえ整えば自宅での繁殖も可能ですが、
最近はより手軽に与えることができる
乾燥タイプも販売されています。
乾燥タイプはほぼパウダー状なので、
赤虫やイトミミズのなどの生き餌の
見た目が苦手な方も扱いやすいですよ。
ベタの餌くれダンスって?
他魚に対して激しい闘争心をもつことから
”闘魚”とも呼ばれるベタですが、
その一方で飼い主さんにはよく懐く
可愛らしい一面も。
中には飼い主さんが水槽に近付くと
こんな可愛らしいダンスを踊って
餌をおねだりしてくる子もいます。
このように、まるで餌がもらえる喜びを
全身で表現しているかのような仕草を、
ベタの飼い主さんたちの間では
”餌くれダンス”と呼ばれています。
踊り方には個体ごとの特徴があるので、
複数のベタを飼っている方は
見比べてみると面白いですよ。
ただし、ダンスが可愛いからといって
必要以上に餌を与えるのはいけません。
先述のとおり、
ベタは必要以上に餌を食べ過ぎると
やがて病気になってしまいます。
大切なベタにいつまでも健康で
長生きしてもらうためにも、
餌は量や回数をきちんと守って
与えるようにしましょう!
まとめ
今回の記事では、
ベタが餌を食べない理由と対処法、
そして適切な餌の量や回数について
詳しく解説してまいりました。
ベタが餌を食べなくなったり
吐き出してしまう時には、
病気以外にも様々な原因があります。
その中でも特に多いのが、
飼い主さんによる”餌の与え過ぎ”。
ベタが餌をおねだりする姿は
何とも可愛らしいものですが、
欲しがるままに与えていると
やがて病気になってしまいます。
思い当たることがある方は、
大切なベタの健康のために
餌の与え方を見直してみてくださいね!
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