メダカの卵は透き通っているので、
中の様子を観察できるのも楽しみのひとつ。
胚が日に日にメダカらしい形に
なっていくのを見ていると、
大人でも心躍るような気持ちになるものです。
そんなメダカの卵ですが、
ある日ふと見ると、
「白っぽくなって中が見えない!」
「だんだん黒ずんできた!」
といったように、
色が変わっていることがあります。
これは一体、どういう状況なのでしょうか?
何か異常なことが起きたのではないかと
思わず心配になってしまいますよね。
そこで今回の記事では、
「卵の色が何だかおかしい!」という時に
考えられる症状と対処方法を
色別にご紹介したいと思います。
メダカの卵の色が白いのはどうして?原因は?
産まれた時は透明だったメダカの卵が
いつの間にか変色している、という現象は
実はわりとよくあることです。
特に、下の画像のように
白っぽく濁ったような色になるのは、
多くの飼育者さんが経験していると思います。
出典:http://spectrumbrands.jp/aqua/
こんなふうに卵が白くなるのは
カビ菌の仕業です。
「卵にカビ!?」なんて思う方も
いるかもしれませんが、
これは決して珍しいことではありません。
カビが取り付きやすいのは、
次のような卵です。
カビが生えやすい卵とは?
- 無精卵
- 発育不良の卵
卵には有精卵と無精卵があることは
皆さんもご存知でしょう。
メダカはメスが産んだ卵に
オスが体液をかけることで受精しますが、
これが何らかの理由でうまくいかず
無精卵となることがあります。
この無精卵には、
水中の菌などをやっつける
抵抗力がありません。
したがって、放っておくと
カビがどんどん繁殖してしまいます。
また、低水温や日光不足など
成長が順調でない卵も抵抗力が弱く、
カビの餌食になりやすいです。
卵の成長過程において
カビは最大の敵。
最悪の場合には、
順調に成長している有精卵までも
ダメにしてしまうこともあります。
メダカの卵の色が白い場合の対策方法は?
メダカの卵が白いのは、
天敵の「カビ」にやられたためでした。
カビてしまった卵が孵化することは
残念ながらほぼありませんので、
今回は諦めて取り除きましょう。
「なんだか可哀想・・・」という方も
いるかもしれませんが、
それが他の卵たちのためなのです。
そして、今後は
このような事態が起こらないように
カビ対策を徹底していきましょう!
卵をカビから守るには、
以下のような方法が有効です。
卵をカビから守るための対策方法
- あらかじめ無精卵を取り除く
- 付着糸を取り除く
- 水道水でこまめに水換えを行う
まず、卵が産まれたらその時点で
有精卵と無精卵を選別しておきましょう。
卵を手のひらに乗せて
指の腹でコロコロ転がした時、
潰れてしまうのが無精卵です。
この作業を行っていると、
卵の表面にベタベタした糸状のものが
ついていることに気付くと思います。
これが「付着糸」です。
この付着糸が卵についたままでも
カビが生えやすくなるので、
指で擦るようにして取り除きましょう。
また、付着糸を取り除いた有精卵は
水道水に浸けて保管しておくと、
カルキが卵をカビから守ってくれますよ。
ただし、カルキは2~3日で抜けてしまうため、
水換えはこまめに行うようにしましょう。
卵が順調に成長できるように、
水温は24~26℃くらいを保ってくださいね。
メダカの卵の色でわかる!症状とは?
メダカの卵は、カビで白くなる以外に
黒ずんでいるように見えたり
緑がかって見えることもあります。
ただ、緑色というのは
なかなかないケースのようですね。
実は、筆者自身も
緑色の卵は見たことがありません。
それでも、まったくもって
ありえないというわけではないので、
ここからは卵の色別の症状と対処法を
ご紹介していきたいと思います。
卵の色によって対処方法が異なるので、
状況にあわせて対応していきましょう。
⒈メダカの卵の色が透明の場合
冒頭でも触れましたが、
メダカの卵は透き通っているのが特徴です。
特に産まれたばかりの卵は
まるで水晶玉のようにきれいな透明です。
中に気泡のようなものが
いくつか見えることがありますが、
これは「油滴」と呼ばれるもので、
稚魚の成長に必要な栄養分になります。
メダカの色が透明の場合の対処方法
メダカの卵が透明であるのは
普通のことですので、
特に心配する必要はありません。
この後、中の稚魚が育っていくにつれて
黄色っぽくなったり黒っぽくなったりと
少しずつ色を変えていきます。
稚魚の成長過程を確認できるのも
メダカ飼育の面白いところですので、
毎日観察してみてくださいね!
⒉メダカの卵の色が黒い場合
黒っぽく見えるという場合は、
卵が水底に沈んでいるか
水面に浮いているかで
話が違ってきます。
まず、卵が沈んでいる場合は
今のところ順調に育っていると
思って良いでしょう。
卵の中の黒っぽく見えるものは、
稚魚の目や背骨です。
適切な環境下で飼育されている場合は、
産卵から3~4日もすれば
小さな目が2つあるのが
肉眼でも確認できるようになります。
反対に、浮いている場合は
卵に何らかの異常があるサイン。
メダカの卵は沈降性で、
順調に成長している卵であれば
水に浮くことはほぼありません。
メダカの卵の色が黒い場合の対処方法
では、卵が黒っぽくなっている場合には
どうしたら良いのでしょうか。
まず卵が沈んでいる場合は
順調に成長している証ですので、
このまましっかりとお世話を続けましょう。
うまくいけば産卵から10日前後で
元気な赤ちゃんメダカに会えるはずです。
一方、卵が浮いている場合は、
成長過程で何らかのトラブルを起こし
孵化できずに腐ってしまったと考えられます。
この卵を助けてあげることは難しいのですが、
もし他に沈んでいる成長途中の卵があるなら
それらだけでも何とかしてあげたいものです。
ただ、黒くなって浮いている卵も
稀に孵化することがあるようですので、
余裕があれば諦めずに見守ってみても
良いかもしれませんね。
⒊メダカの卵の色が緑色の場合
なかなか稀なケースのようですが、
表面にコケや藻などが付着して
卵が緑色になるということがあるそうです。
実は筆者もこれは知りませんでした・・・!
また、光の当たり加減などによって
うっすらと黄緑がかったように
見えることもあります。
メダカの卵の色が緑色の場合の対処方法
卵についたコケや藻は、
どうすることもできないようです。
ただ、中の稚魚の成長が確認できるようなら
孵化する可能性は十分にあるので、
このままお世話を続けていきましょう。
卵にコケや藻がつかないようにするには、
できるだけきれいな水で飼育することです。
水換えと保管容器の掃除は
できるだけこまめに行うようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、
メダカの卵の色が気になる時に
考えられる症状や対処方法を
色別にご紹介してまいりました。
もっとも危険なのは、
卵がカビに侵されて白く濁っている時。
こうなると、残念ながら
もう孵化は諦めるしかありません。
放っておくとこの卵だけでなく
他の卵までダメになる恐れがあるため、
すみやかに取り除きましょう。
カビを発生させないように
しっかり対策を取りながら
お世話をしていくことも大切です。
また、白以外の色についても
症状と対策を覚えておくと
何かあった時に役立つでしょう。
メダカに限ったことではないですが、
生き物を育てるにあたっては
それなりの知識を蓄えておきたいものです。
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