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犬のクッシング症候群の末期症状&余命|食べてはいけないものとは?

病気

犬のクッシング症候群の末期症状

愛犬がクッシング症候群になると、飼い主さんは余命はどれくらいなのか?何に気をつけて生活をしていくべきか?と気になりますよね。

犬のクッシング症候群は、愛犬の健康を害し病気のリスクを高める原因となります。

そのため、クッシング症候群をしっかり治療し生活で気をつける点を理解しておくことが大切です。

本記事では、犬のクッシング症候群の症状や余命、食べてはいけないものなどについて解説していきます。

犬のクッシング症候群に併発しやすい疾患などもまとめて紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

犬のクッシング症候群の末期症状とは

寝ている犬

犬のクッシング症候群が進行してしまった末期には以下のような症状が認められます。

  • 呼吸困難
  • 食欲不振
  • チアノーゼ
  • 痙攣発作

クッシング症候群が進行すると、末期には様々な疾患を併発することがあります。

例えば、脳の下垂体と呼ばれる部分がクッシング症候群により大きくなると痙攣発作などの神経症状が発生することがあります。

また、体の中で血栓が形成されやすい状況になり肺に血栓が詰まることがあります。

この場合は、うまく酸素を取り込むことができず呼吸困難やチアノーゼなどの症状が認めらえるようになります。

他にも糖尿病や胆嚢の病気なども併発しやすくなりますので注意が必要です。

犬のクッシング症候群とは?

犬のクッシング症候群は副腎皮質機能亢進症とも呼ばれ、副腎と呼ばれる臓器からのホルモンが多量に分泌される病気です。

副腎から出る副腎皮質ホルモンはコルチゾールとも呼ばれ、通常はストレスに反応して分泌されていますが、過剰に分泌されると様々な症状が認められるようになります。

また、クッシング症候群は多くの病気を併発するリスクがあるので、早期発見、治療が大切です。

まずは、病気を早期発見できるようにクッシング症候群の初期症状について解説していきます。

犬のクッシング症候群の初期症状とは?

クッシング症候群を早期に発見し、治療してあげることは愛犬の健康を保つ上でとても大切です。

犬のクッシング症候群の初期症状としては、以下のようなものが認められます。

  • 多飲・多尿(飲水量が増えた、排尿量が増えた)
  • 食事量が増えた
  • お腹が膨れている
  • 皮膚の脱毛(毛が薄くなってくる)

特に多飲・多尿が最も症状として現れることが多く、90%の犬で認められるといわれています。

いつもより飲水量が増えた場合や排尿量が増えた場合は、注意が必要です。

1日の飲水量は体重1kgあたり60〜90mlが正常範囲です。

もし体重1kgあたり100ml以上の水を1日に飲んでいる場合は多飲であると判断してください。

例えば、3kgの小型犬なら一日に300ml以上水を飲んでいる場合は、飲水量は多く、多飲であると言えるでしょう。

おしっこの量に関しても以下のような症状がある場合は多尿を疑ってみましょう。

  • おしっこの回数が増えた
  • トイレの失敗が増えた
  • おしっこの色が透明〜白色に薄くなった。

ぜひ、愛犬の飲水量や排尿量に注目してみて、クッシング症候群を早期発見してあげましょう。

犬がクッシング症候群になったら余命はどれくらい?

犬 横顔

犬がクッシング症候群と診断された場合、残りの余命はどれくらいなのか気になる飼い主さんがいるはたくさんいると思います。

ある論文では、クッシング症候群に対して薬で治療をしている犬の平均的な余命は521日であり、薬での治療を行なっていない場合の平均的な余命は484日と報告されています。(*1)

また、クッシング症候群と診断された犬の一年後生存率は60%であり、2年後生存率は35%と報告されています。(*1)

*1引用元:Survival analysis of 219 dogs with hyperadrenocorticism attending primary care practice in England

平均的な余命が短いと感じた方も多いのではないのでしょうか?

これは、クッシング症候群は10歳以上の比較的高齢の犬に認められることや、糖尿病や肺動脈血栓塞栓症、胆嚢の病気などを併発しやすいことが関連していることが考えられます。

若齢でクッシング症候群を早期発見し、適切な治療をおこなっている子や他に併発疾患が認められない子は健康な子と同様に生きることができます。

そのため定期的な健康診断を受け、病気の早期発見をしてあげることが大切です。

犬のクッシング症候群で食べてはいけないものはある?

ドッグフード

犬のクッシング症候群では、普段の食事を気を付けてあげないと愛犬の健康や病気を悪化させてしまうことがあります。

クッシング症候群の犬の食べ物で気をつけなければいけないことは以下の通りです。

  • 糖質を与えすぎない
  • 脂肪分の多い食材を与えない
  • 良質なタンパク質を与える

それぞれについて具体的な食材を挙げて説明していきますね。

糖質を与えすぎない

犬のクッシング症候群では糖尿病を併発しやすいです。

糖質や炭水化物は、糖尿病を予防するためにも過剰摂取は注意しましょう。

また、糖質や炭水化物は肥満の原因にもなり様々な病気を引き起こします。

そのため、愛犬がどの程度糖質や炭水化物を食べているのか、過剰摂取していないかどうかはしっかりと把握してあげましょう。

糖質や炭水化物が多く注意しなければいけない食べ物には、以下のようなものが挙げられます。

  • 白米
  • 食パン
  • リンゴやバナナなどの果物
  • 砂糖菓子(チョコレート、飴、グミ、ケーキなど)

砂糖菓子を愛犬に与えてはいけないことは多くの人は理解していると思いますが、白米や食パン、果物なども糖質が多く含まれているためクッシング症候群の犬の食事では避けてあげるべきです。

脂肪分の多い食事を与えすぎない

犬がクッシング症候群になった場合には、脂質の代謝異常により血液中の中性脂肪が高くなる高脂血症が認められるようになります。

高脂血症は膵炎や胆嚢の病気を引き起こすことがあるので注意が必要です。

なるべく低脂肪の食事を心がけてあげましょう。

脂肪分が多く注意しなければいけない食べ物には以下のようなものが挙げられます。

  • 牛肉
  • 豚肉
  • チーズ
  • トロ、サバ、ブリなど油が乗っている魚

肉類を犬に与えてしまう飼い主さんがいると思いますが、クッシング症候群の犬には与えないようにしましょう。

また、チーズなどの乳製品も脂肪分を多く含む食材であるので避けてあげるのが無難でしょう。

良質なタンパク質を与える

クッシング症候群が進行してくると筋肉量が低下していきます。

特に呼吸に関わる筋肉量が低下し、呼吸が荒くなることがあります。

こうした筋力の低下を避けるために普段の食事から良質なタンパク質を摂取することが大切です。

鳥のささみなどの肉は、脂肪分も少なくクッシング症候群の犬に負担をかけずに良質なタンパク質を与えることができるのでおすすめです。

また、ペットフードの品質によっては、タンパク質の含有量が低いものもが存在しています。

成分表を見て、タンパク質含有量が20~25%程度のドッグフードを選ぶようにしましょう。

これより多くタンパク質が含まれている場合や、タンパク質含有量が低い場合はクッシング症候群の犬には与えるべきではないので注意してあげましょう。

犬のクッシング症候群!治療費が払えない?いくらかかる?

犬 治療

犬のクッシング症候群になった場合の治療法としては、以下のようなものが考えられます。

  • 内服のお薬を飲み続ける
  • 外科的処置
  • 放射線治療

愛犬のクッシング症候群で副腎が大きくなって血管などを圧迫している場合や、脳の下垂体と呼ばれる部分に腫瘤ができ大きくなっている場合には、外科的な処置や放射線治療を行います。

外科的な処置や放射線治療の必要は現段階では必要ないと判断した場合には、内服のお薬を飲みましょう。

この内服のお薬は、副腎皮質ホルモンの過剰生産を抑える薬ですので生涯にわたって飲み続ける必要があります。

生涯となるとお薬の値段や外科の治療費について気になる飼い主さんもいると思います。

内服のお薬の場合は、一日あたり大体600~1200円ほどになります。内服のお薬も生涯にわたって飲む必要があるのでかなり高額になることが予想されます。

また外科的な処置の場合は、副腎腫瘤の大きさや手術を行う病院にもよりますが20~40万程度となります。放射線治療の場合は、4回で40~60万程度となります。

治療しないとどうなる?

犬

犬のクッシング症候群の治療には内科治療でも外科的な処置をした場合でも多額のお金がかかるため、治療ができない場合も考えられます。

しかし、クッシング症候群は放置していると以下のような様々な併発疾患を引き起こします。

  • 糖尿病
  • 肺血栓塞栓症
  • 尿路感染、膀胱炎
  • 高脂血症
  • 膵炎
  • 胆嚢粘液嚢腫

また、副腎や脳の腫瘤が大きくなっていく状態を放置しておくと、血圧の異常や痙攣発作などの神経症状が発症します。

犬のクッシング症候群自体が死に直結することはほとんどないのですが、肺血栓塞栓症を併発した場合は突然死を起こす可能性や、胆嚢破裂や膵炎によって命を落とすことも考えられます。

また併発疾患の治療により、さらに治療費も高額になってきます。

併発疾患を予防するためにも犬のクッシング症候群は放ったままにしないで治療してあげることをおすすめします。

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