愛犬がよく水を飲むようになったと感じても、元気や食欲に問題がなければついそのまま様子をみたくなりますよね。
私達人間と同じように、犬も暑い日や運動後には水をよく飲みます。
しかし、病気が原因で水をよく飲んだり、抗生物質の副作用として水をよく飲んだりすることもあるため、そのまま放置してしまうと後で取り返しのつかない事態に陥ってしまう可能性があります。
そこで今回は犬が水をよく飲む場合に考えられる原因や、抗生物質の副作用などについて詳しくまとめてみました。
▼この記事に書いてること
いざというときにすぐに対応できるよう、今から覚えておきましょう。
犬の抗生物質の副作用とは
どんな薬にも必ずといっていいほど副作用は存在します。もちろん抗生物質も例外ではありません。
副作用は用法・用量を守っていても防ぐことができないため、副作用にいち早く気づいて対応することが大切です。
抗生物質は動物病院で比較的よく処方される薬で、場合によっては1ヶ月など長期にわたって服用することがあります。
そのため、抗生物質を飲み始めてから愛犬の様子がいつもと違うと感じたら、すぐに動物病院に相談するようにしましょう。
①水をよく飲む?
気温などにも左右されますが、犬は1日に体重1kgあたり50〜60mlほどの水を飲むといわれています。
そして1日の飲水量が体重1kgあたり100mlを超えると多飲にあたるため、動物病院への受診が必要になってきます。
1日あたりの飲水量を正確に測る必要はありませんが、抗生物質を飲むようになってからいつもと比べて明らかに水をよく飲むようになった場合は、副作用が出ている可能性があります。
②眠気がひどい?
ひどい眠気とまではいきませんが、犬が抗生物質を飲むことで眠気を感じ、いつもより眠っている時間が増えることがあります。
また、抗生物質を飲んでいることは、何かしらの病気を患っているということです。
そのため、そもそもかかっている病気が原因で眠っている時間が増えている可能性も考えられます。
眠気だけではなく、元気がなくぐったりしているような場合には、すぐにかかりつけの動物病院を受診するようにしましょう。
③元気がない?
抗生物質を飲んだり注射したりすることで、いつもより元気がないように見えることもあります。
愛犬が普段から元気いっぱいだと心配になりますが、他に何も症状がみられなければそのまま様子をみていただいて問題ないことがほとんどです。
しかし、眠気でご紹介した内容と同様、ぐったりして動きたがらないなどの症状も見られる場合は、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
④下痢・嘔吐する?
下痢や嘔吐といった消化器症状は、抗生物質によくみられる副作用の一つです。
犬の下痢や嘔吐が続くと脱水などを引き起こす可能性もあるため、消化器症状がみられる場合もすぐに動物病院を受診して、抗生物質の種類を変更してもらうようにしましょう。
⑤尿漏れを起こす?
先程、抗生物質の副作用で飲水量が増えることがあるとご紹介しましたが、水を飲む量が増えれば、当然ながらおしっこの量も増えます。
そのため、トイレまでおしっこを我慢することができずに、尿漏れを起こしてしまうことがあります。
犬が水をよく飲む!病気の可能性は?
犬が水をよく飲む場合、運動後などに一過性に飲水量が増えるだけであれば問題ありません。
しかし、病気が原因の場合で水をよく飲んでいる場合は、治療が遅れてしまうと病気がかなり進行してしまったり、慢性化して治療が長引いてしまったりすることがあります。
そのため、多飲が続く場合はなるべく早めに動物病院を受診するようにしましょう。
犬は心臓病だと水をよく飲む?
心臓病だからといって水をよく飲むということではないのですが、心臓病の治療薬の一つに「利尿薬」というおしっこをたくさん出させるためのお薬があります。
おしっこがたくさん出ればその分喉が乾きますので、利尿薬を服用しているといつもより水をよく飲みます。
逆をいえば、おしっこがたくさん出ているのに水を飲まないと、脱水を引き起こす可能性があります。
そのため、愛犬に利尿薬が処方された場合は飲水量をしっかり確認するようにしましょう。
腸閉塞だと水をよく飲む?
腸閉塞はなんらかの原因で腸の内容物が肛門までうまく流れなくなってしまう状態のことをいいます。
犬の場合は異物誤飲による腸閉塞が多く、
- 嘔吐
- 便秘
- 腹痛
などの症状がみられます。
腸閉塞になったからといって水をよく飲むということはありませんが、腸が完全に閉塞してしまっていると水を飲んでも吐いてしまいます。
腸閉塞は治療が遅れると命にかかわりますので、何かを誤飲してしまった場合や、下痢はしないのに何度も吐くといった場合には、一刻も早く動物病院を受診しましょう。
膀胱炎だと水をよく飲む?
犬が膀胱炎になるとトイレに何度も行きますが、むしろほとんどおしっこが出ないため、膀胱炎になったからといって水をよく飲むようになるというわけではありません。
むしろ飲水量が減ると膀胱炎になりやすいため、膀胱炎を予防するためには水をたくさん飲ませる必要があります。
水をよく飲む&息が荒いときは危険?
犬が水をよく飲み、さらに息が荒いからといって必ずしも危険な状態とは限りません。
例えば、暑い日や運動後に脱水状態になると、いつもより水をよく飲み、ハァハァと荒い呼吸をすることがあります。
ただし、ぐったりしていたり体が異常に熱かったりする場合は危険な状態ですので、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
一方、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)など、病気が原因の場合も考えられます。
クッシング症候群は中・高齢犬にみられる内分泌疾患の一つで、水をよく飲む、息が荒くなるといった症状以外にも、
- 食欲が増す
- お腹が膨れる
- 脱毛
- 皮膚が薄くなる
などがみられるようになります。
犬のクッシング症候群はそこまで発生率が高いというわけではありませんが、当てはまる症状がある場合は動物病院を受診するようにしましょう。
▼水をよく飲むことからクッシング症候群が判明したアイガー君。元気いっぱいな姿に励まされますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「水をよく飲む」という症状は一見大したことがなさそうですが、抗生物質の副作用や病気の一症状である可能性も考えられます。
抗生物質の副作用が疑われる場合は飼い主様の自己判断で休薬せずに、動物病院を受診して獣医師の判断を仰いでください。
こちらの記事を参考に普段の愛犬の飲水量を確認するようにして、いち早く異常に気がつけるようにしましょう。
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