犬を飼うと悩みの1つとなる臭い。
お手入れをしてもすぐに臭ってしまい、
悩んでいる方は多いと思います。
犬が臭いときの原因はさまざまですが
もし臭いと共に皮膚に異常がみられたら、
それは皮膚病が原因かもしれません。
私は動物看護師をしていましたが、
実際に皮膚病が原因で愛犬が臭ってしまい、
心配で受診する飼い主の方は多くいました。
そこで今回は
犬が臭いときに考えられる皮膚病について
詳しくご紹介したいと思います。
犬が臭いときにどのような皮膚病が考えられる
のか、原因・症状・治療法も合わせて詳しく
ご紹介していきますね。
犬臭い時に考えられる皮膚病とは?
犬の皮膚病といっても様々な種類が
あります。特に
- 脂漏症
- 膿皮症
- アトピー性皮膚炎
これらは犬の皮膚病では多く、
実際に動物病院でもこれらを煩って
受診する犬が多くみられます。
ではこの上記3つの皮膚病について
ここで詳しくご紹介していきますね。
これらの皮膚病が疑われる場合には
すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
1.脂漏症
犬の脂漏症とは、皮脂の分泌が多すぎたり
反対に少なすぎることが原因で発症する
皮膚病です。
「マラセチア皮膚炎」とも言われ、主に
マラセチアという常在菌の活性化によって
起こります。
皮膚が脂っぽくなり、べたついたフケが出て
かゆみが広がる「乾性脂漏症」タイプと、
乾燥したフケが出て皮膚の表面がかさつく
「油性脂漏症」タイプがあります。
脂漏症を発症することで大量のフケや
きつい臭いを発し、さらに重症化すると
かさぶたや脱毛などの症状が現れます。
●脂漏症の主な症状
- 脂っぽいきつい臭い
- 被毛がべたつく
- 皮膚の乾燥
- フケ
- 発疹や紅斑
- 脱毛
- 痒み
原因は主にマラセチアという常在菌ですが
栄養の偏りも関係している場合があるため、
毎日の食生活にも気をつける必要があります。
●脂漏症の主な原因
- 細菌感染
- 寄生虫感染
- アレルギー
- 食生活
- ホルモンの分泌異常
- 遺伝
- 犬種
また脂漏症の治療では、主に
原因となっている基礎疾患の治療と
症状を抑える対症療法をおこないます。
専用のシャンプーを使用して皮膚を清潔に保ち、
炎症がひどい場合は投薬を行う場合もあります。
しかし脂漏症は完治させることが難しく、
しっかりと継続的に治療を続けていかないと
再発することが多い皮膚病です。
●脂漏症の主な予防法
- 皮膚や被毛の正しいケアを行なう
- 飼育環境を見直す
- 栄養バランスの良い食事を心掛ける
2.膿皮症
犬の膿皮症とは、皮膚のバリア機能が低下
することが原因で身近な細菌が感染して、
皮膚が炎症を起こしてしまう皮膚病です。
主に犬の皮膚の常在菌「ぶどう球菌」が
何らかの理由で悪さをすることで発症します。
最初は膿を持ったような小さな発疹が現れ、
次第に大きな発疹へと変わり
どんどん広がっていく特徴があります。
感染部分を放っておくと無数の穴が空き、
さらに膿が悪臭を放つこともあります。
●膿皮症の主な症状
- 無色の丘疹
- 皮膚の赤み
- 発疹・紅斑
- 痒み
- 痛み
- 脱毛
- 皮膚が腫れる
- かさぶた
- 出血
- 発熱
ひどい痒みにより
皮膚を強く引っ掻いてしまったり、
自分を噛んだり舐めたりすることで
病気を悪化させることもあります。
●膿皮症の主な原因
- 皮膚が傷ついている
- 免疫力の低下
- 不衛生な飼育環境
- 栄養不良
- 老化
- アレルギー
- 遺伝
- 犬種
治療法としては抗生物質を飲ませることが
一般的です。
また殺菌性の強いシャンプーや薬浴をしたり、
保湿剤を使い、低下した肌のバリア機能を
高めることが必要になります。
●膿皮症の主な予防法
- 犬の体を常に清潔に保つ
- 皮膚の怪我はしっかり処置する
- 被毛と皮膚の正しいケアを行う
- 飼育環境を見直す
- 栄養バランスに気をつける
3.アトピー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎のなかでも、
呼吸をしたときにアレルギー物質を吸い込み、
それに皮膚が過敏に反応をして発症するのが
アトピー性皮膚炎です。
皮膚が荒れてただれることが多く、
患部から臭いを発することがあります。
●アトピー性皮膚炎の主な症状
- 皮膚が赤くなる
- 激しい痒み
- 皮膚に発疹やただれ
- 皮膚が荒れる
- 皮膚が乾燥する
- 出血やじくじくする
強い痒みを伴うことから
患部を激しく掻いたり舐めたりします。
そしてアトピー性皮膚炎を放っておくと
膿皮症や結膜炎、外耳炎を併発することも
あり注意が必要です。
●アトピー性皮膚炎の主な原因
- 遺伝
- ほこり(ハウスダストマイト)
- カビ胞子
- ノミ・ダニ
- フケ
- 花粉
- 皮膚のバリア機能の異常や低下
- 細菌やマラセチア
アトピー性皮膚炎の治療には
軟膏を塗ることが一般的ですが、
場合によってはステロイド剤を使用したり、
抗ヒスタミン剤や脂肪酸などを組み合わせて
投与することもあります。
また根本的なアレルゲンの除去を行い症状を
コントロールし、犬が支障なく日常生活を
送れるようにしてあげることが大切です。
犬の皮膚病以外で臭いの原因になる病気もある!
犬の臭いの原因に考えられる皮膚病
についてご紹介してきました。
もちろんこれらの犬の皮膚病以外でも
臭いの原因となる病気があります。
- 歯周病
- 腎不全など腎臓の病気
- 胃がん
- 肺がん
- 糖尿病
- 腫瘍
などが考えられます。
もしこのような病気が原因の場合、
独特の臭いにおいがしますよ。
詳しくはこちらの記事で詳しくまとめて
ありますので、合わせてご覧下さいね。
⇒犬が臭いのは病気の症状?においの種類からわかる原因【まとめ】
臭い改善のためにも、愛犬の臭いの原因を
しっかりと突き止めてあげましょうね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、犬が臭いときに考えられる
皮膚病についてご紹介してきました。
犬のにおいの原因でよくある皮膚病は、
- 脂漏症
- 膿皮症
- アトピー性皮膚炎
でしたね。
これらの皮膚病は
犬の臭いの原因になるだけでなく、
犬にとってとても辛い症状を発症します。
酷くしないためには
早期発見・早期治療がとても大切です。
皮膚に異常がみられたら早めに動物病院へ
連れて行くようにしましょうね。
そして
治療と共に原因をしっかりと取り除き、
再発を防ぐことも大切ですよ。
また今回ご紹介した皮膚病以外にも、
犬の臭いには食事が大きく関係してきます。
犬の臭い改善におすすめのドッグフード
をご紹介した記事もあります。
⇒犬の臭いをドックフードで改善!体臭におすすめランキングTOP5!
しっかりと愛犬の体臭対策をし、
臭いの改善をしてあげましょうね。
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