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犬の心臓病の末期症状|気をつけることは?長生きする?

わんちゃん

犬の心臓病の末期症状

愛犬が急に咳をしだしたら、もしかしたらそれは心臓病かもしれません。

犬の心臓病のほとんどは「僧帽弁閉鎖不全症」という弁膜症です。進行性の病気であるため、生涯に渡ってうまく病気と付き合っていく必要があります。

しかし、犬の心臓病は末期になるとどのような症状が現れ、どんなことに気をつけながら生活すれば良いのかよくわからないという方も少なくないでしょう。

そこで今回は犬の心臓病の末期症状や寿命、日常生活で気をつけることなどについてまとめてみました。

いざというときのために、今からよく覚えておきましょう。

犬の心臓病の症状とは

犬が心臓病を患っていても、初期の段階では症状がほとんどみられません

しかし、病気が進行してくると、

  • 咳が出る
  • 疲れやすい
  • 元気や食欲の低下
  • 呼吸が荒い
  • 舌が青紫色をしている
  • 失神する

などの症状がみられるようになります。

犬は心臓病だと水をよく飲む?

犬が心臓病だからといって水をよく飲むということはありません。

しかし、心臓病の治療薬の一つである利尿薬を服用している場合はおしっこがたくさん出るため、水をよく飲むようになります。

また、心臓を患っていると腎臓病を併発することが多く、腎臓病の一症状として水をよく飲むこともあります。

犬の咳がひどいと心臓病?

犬の咳がひどい場合、疑われる病気は心臓病だけではありません。

  • 気管虚脱
  • ケンネルコフ
  • 肺炎
  • 異物誤飲
  • フィラリア症

などが原因で咳をしている可能性もあります。

原因によって治療法もさまざまなので、まずは検査をして原因を突き止めることが重要です。

そのため、愛犬が咳をしている場合は動物病院を受診するようにしましょう。

犬の呼吸が早いのは心臓病?

犬の呼吸が早い場合には、心臓病だけではなく以下のような病気の可能性もあります。

  • 短頭種気道症候群
  • 気管虚脱
  • ケンネルコフ
  • 気管支炎
  • 鼻炎
  • 肺炎
  • 腫瘍

また、病気以外にも興奮したときや運動をした後、ストレスを感じたときなどにも一時的に呼吸が早くなることがあります。

そのため、愛犬の呼吸が早いと感じたら、呼吸数以外にも何か異常がないかをよく観察するようにしましょう。

▼心臓病と闘っている14歳の小太郎くん。呼吸が早く、咳もみられます。

犬の心臓病の末期症状とは

犬の心臓病は、末期になると肺に水が溜まってしまう「肺水腫」を引き起こします。肺水腫を起こすと

  • ひどい咳がずっと出る
  • 呼吸が荒い
  • 舌の色が青紫色をしている
  • 大量のよだれを垂らす
  • 横になれず眠れない
  • 失神する

などの末期症状がみられ、突然死してしまうこともあります。

ご飯を食べない?

犬の心臓病は末期には呼吸がかなり苦しくなるため、ご飯を食べないケースも少なくありません

そのため、ご飯を食べない場合はいつも食べているドライフードをふやかして食べやすくしたり、ウェットフードに変更したりしてみましょう。

また、電子レンジで少しフードを温めると香りが強くなるため、食欲を刺激することがあります。

それでも食べない場合はおやつでもいいのでとにかく何か口にできるものを探し、何も口にできない場合は動物病院を受診するようにしましょう。

犬の心臓病は長生きする?寿命は?

犬の心臓病のうち最も発生が多い僧帽弁閉鎖不全症は、重症度によって5段階に分類されます。

分類 定義
ステージA 心雑音はないが、心疾患のリスクがある
ステージB1 心雑音はあるが、症状や心拡大はない
ステージB2 心雑音や心拡大はあるが、症状はない
ステージC 過去または現在、心不全兆候の既往がある
ステージD 標準的な治療に反応しない末期の状態で、肺水腫を繰り返している

そして犬の心臓病の寿命は、どのステージから投薬治療を行うのかによって大きく左右されます。

そのため、早期発見・早期治療を行うことができれば、長生きできる可能性が高くなります。

ステージ4の余命は?

ステージ4の余命についてですが、先程もご紹介したとおり犬の心臓病のステージはアルファベットで分類されています。

そしてどのステージで病気に気づき、投薬治療を始めることができるかによって余命は異なります。

具体的にはステージA〜B1であれば平均余命は6年(80ヶ月)以上ありますが、ステージB2〜Cでは33ヶ月、ステージDでは9ヶ月とかなり短くなってしまいます。

犬が15歳で心臓病になった場合は?

たとえ犬が15歳で心臓病になったとしても、他の年齢で発症した場合と同様、寿命は病気の進行具合に大きく左右されます。

ただし、15歳はすでに犬の平均寿命を上回る年齢です。そのため、心臓病の治療中に寿命を迎え、老衰で亡くなることもあります。

高齢犬は心臓病以外にもガンや腎臓病などの病気を患っている可能性が高く、他の病気の影響で余命が短くなることもあります。

治療しないとどうなる?

犬の心臓病の治療方法には、薬などを使って病気の進行を抑えたり症状を軽くしたりする「内科的治療」と、手術で心臓病を治す「外科的治療」があります。

心臓病は手術を行わない限り、完治は見込めません。そのため、たとえ内科的治療を行っても心臓病が治ったり、ステージが元に戻ったりすることはありません。

つまり、治療をしないと心臓病はどんどん進行し、短期間で命を落としてしまう可能性が高くなります。

心臓病の末期は呼吸が苦しくなるため、治療を行わなければ犬の身体にはかなりの負担がかかります。

そのため、少しでも愛犬の負担を軽くできるよう、積極的に治療を行うことをおすすめします。

治療を行っても助かる見込みがない場合、安楽死を選択する飼い主様も少なくありません。後悔のない選択ができるよう、ご家族や主治医としっかり相談するようにしましょう。

犬の心臓病の治療!内容は?

先程もご紹介したとおり、犬の心臓病の治療には内科的治療と外科的治療の2種類があります。

しかし、手術は限られた施設でしか実施できず、高齢犬の場合は全身麻酔をかけるリスクもあります。そのため、犬の心臓病の治療は、一般的に内科的を行います。

投薬が必要になるのはステージB2からで、利尿薬や強心剤、血管拡張薬、気管支拡張薬などを症状に合わせて投与していきます。

また、投薬治療とあわせて食餌療法を行ったり、必要に応じて酸素吸入を行ったりもします。

投薬費用はいくら?

投薬費用は心臓病の症状や犬の体重などによっても異なりますが、毎月5,000〜10,000円くらいかかります。

心臓病は一度投薬治療が始まると基本的には生涯にわたって治療を継続していく必要があるため、トータルでみるとかなりの負担になることがわかります。

そのため、愛犬が元気なうちにペット保険に加入するなどして、いざというときに備えておきましょう。

犬の心臓病で気を付けること

犬が心臓病になってしまった場合は、できるだけ心臓に負担がかからないように

  • 運動制限
  • 食餌の管理
  • ストレスをかけない

を心がけるようにしましょう。

まずは運動制限ですが、ステージCまでは散歩に制限はありませんが、ドッグランで走り回るなどの激しい運動は控えるようにしましょう。

食餌の管理については、人間の心臓病と同じように、犬も塩分を制限する必要があります。

おやつや人間の食べ物などには塩分がたくさん含まれているため、主食以外の食べ物はなるべく与えないようにしましょう。

ストレスや過度な緊張も心臓に負担を与えてしまいます。旅行の同伴やペットホテルの利用、トリミングなどが必要になった場合は、あらかじめ主治医に相談しておくと安心です。

食べてはいけないものはある?

心臓病を患っている場合、基本的には主食以外のものは食べさせないようにしましょう。

特に味付けがされた人間用の食べ物は、少量であっても塩分過多になってしまいます。犬用のおやつであっても塩分が多く含まれているものも多いため、控えたほうが良いでしょう。

どうしてもおやつを与えたい場合は、主食の1日量は変えずに食事の回数を増やしたり、少量をおやつ用に分けたりするなどの工夫をしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

心臓病は犬に比較的よくみられる病気ですが、初期症状がほとんどみられないため、症状が現れた頃にはすでに病気がかなり進行しているケースも少なくありません。

早期発見・早期治療を行うことができれば長く生きることもできるため、定期的に動物病院で健康診断を受けるようにしましょう。

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