鮮やかな色模様と豪華な尾びれが
特徴的なグッピーですが、
稚魚期の小さくて素朴な姿も
可愛らしいものですよね。
そんな赤ちゃんグッピーたちを
美しく立派に育てるためには、
成魚に餌と間違えて捕食されないよう
ある程度の大きさに成長するまで
隔離した状態で飼育する必要があります。
この隔離を行ううえで覚えておきたいのが、
お母さんグッピーに見られる出産の”兆候”。
出産のタイミングをうまく見極めて
お母さんグッピーを隔離してやることで、
次から次へと産まれてくる稚魚を
1匹1匹掬い出す手間がなくなります。
そこで今回の記事では、
お母さんグッピーの体や行動にあらわれる
出産の兆候についてまとめてみました。
初めてグッピーの繁殖に挑戦する方は
ぜひ参考にしてみてください!
グッピーの出産の兆候は?3つの直前サイン
グッピーの出産の兆候には
次のようなものがあります。
- 妊娠マークが大きくなる
- 上下に泳ぐ
- 底で動かなくなる
こうしたサインが見られるようになったら
隔離用のケースに移動させて様子を見ます。
では、それぞれどのような状態なのか
詳しく見ていきましょう。
1.妊娠マークが大きくなる
グッピーのメスのお腹には
「妊娠マーク」と呼ばれる
黒い点のような模様がありますが、
出産が近付いてくると
この部分がだんだん大きくなり
色もより濃くなってきます。
出産間近のメスのお腹の写真です。
出典:https://blogs.yahoo.co.jp/fmborussia
この黒い部分をさらによく見てみると、
体内で孵化した稚魚の目が確認できます。
(アルビノ種の場合は黒くは見えません。)
運が良ければ稚魚がお腹の中で動く様子を
見られることもあるのだそうですよ。
せっかくの機会ですから、
隔離した後にじっくり観察してみるのも
面白いかもしれませんね。
2.上下に泳ぐ
さらに出産が迫ったお母さんグッピーは、
水槽のガラス面に沿うようにして
上下にせわしなく泳ぐなどの行動を
見せるようになります。
稚魚でパンパンに膨らんだお腹が苦しくて
落ち着かないのでしょうね・・・。
ただ、この上下に泳ぐ姿は
水換え後の急激な水質の変化や
過密飼育による酸素不足の時にも
見られることがあるので、
妊娠しているメス以外のグッピーも
同じような泳ぎ方をしている場合は
飼育環境に問題はないか
今一度確認してみてください。
3.底で動かなくなる
また、出産が近いお母さんグッピーは
大きく膨らんだお腹が重たいのか、
水槽の底にお腹をつけるようにして
ボーッとしている姿もよく見かけます。
ただし、水質の悪化が原因で
体調を崩してしまった時にも
底で動かなくなることがあるので、
出産の前兆かどうかを判断する際は
お腹が大きくなっているか、
妊娠マークがはっきり出ているかなど
他のサインも併せて確認しましょう。
妊娠していない場合は、
他に病気の症状が出ていないかどうか
他の個体もよく観察してみてくださいね。
グッピーの出産の時間帯は?
出産間近のグッピーがいても、
稚魚が産まれるまさにその瞬間を
目の当たりにする機会というのは
なかなかないものですよね。
実はグッピーは私たち人間が寝ている
夜中~明け方にかけて
出産していることが多いようです。
はっきりとした理由は
わかっていないそうですが、
グッピーとしては周りが静かなほうが
落ち着いて出産に臨めるのでしょう。
中には時間帯に関係なく
人目があると気になって出産できない
お母さんグッピーもいるほどですから、
グッピーとは意外と繊細な心の
持ち主なのかもしれません(笑)
なお、産みそうなのに産まず
どこか苦しそうにしている時は、
水温を高くしたり水換えを行うと
環境の変化がほどよい刺激となって
出産が促されるそうですよ。
グッピーの出産の数はどれくらいなの?
グッピーは出産でたくさんの稚魚を
産むことでも知られています。
1回の出産で産まれる稚魚の数は
30~50匹前後。
初産の時はまだ体が慣れていないため
5~10匹程度で終わることも多いですが、
出産回数を重ねるごとに
稚魚の数も多くなる傾向があり、
ベテランのお母さんグッピーになると
1回で100匹以上産むこともあります。
産まれたての赤ちゃんグッピー、
小さくて可愛いですよね!
このようにお母さんグッピーは
お腹の中の稚魚を1回に数匹ずつ
産み落していきますが、
産み終わりまでにかかる時間には
数十分~半日と個体差があるので、
産むペースが落ちてきても
早々に産み終わりと判断せず
気長に見守ってあげましょう。
グッピーの出産にはサイクルがあるって本当?
さらに、グッピーのメスの体内には
オスの精子をためておく器官があり、
一度受精が成立すると
約1ヶ月サイクルで2~3回ほど
出産を繰り返します。
つまり「だいぶ稚魚の数も増えたし
もう繁殖はストップさせよう」と
オスメスを分けたとしても、
一度出産を経験しているメスは
1ヶ月後にまた稚魚を産む可能性が
あるということです。
実はこれがグッピーの繁殖の
ちょっと怖いところ。
このまま順調に出産し稚魚が育てば、
1ヶ月ごとに30匹、60匹・・・と
爆発的に数が増えることになります。
もちろんすべての稚魚を飼育できる
水槽環境が整っているのであれば
何の問題もないのですが、
そうでない場合は
増やしすぎに注意が必要です。
過密飼育は水が汚れやすいうえに
感染病などの怖い病気を蔓延させ、
水槽崩壊を招く恐れがあります。
増えすぎて困った時は、
稚魚を本水槽で成魚たちと一緒にして
自然の摂理に任せるのも一つの手。
繁殖は自分の水槽環境に合わせて
計画的に行うようにしましょう!
まとめ
今回の記事では、
お母さんグッピーの体や行動にあらわれる
出産の兆候について解説してまいりました。
私たち人間も妊娠すると
”マタニティブルー”と呼ばれる
心身ともに不安定になりがちな時期を
経験する方が多いですが、
グッピーのお母さんも同じように
底の方でじっとしていたかと思えば
次の瞬間には激しく泳ぎ出す・・・など
どこか落ち着かない様子を見せたりします。
中には近寄ってくるオスに対して
攻撃的な態度を見せるお母さんも
いるそうですよ。
そんな普段とは明らかに違う行動が
見られるようになったら、
すみやかに隔離用のケースに移して
出産まで優しく見守ってあげてください。
ただ、すべてのお母さんグッピーに
同じ兆候があらわれるわけではないので、
飼育しているグッピーたちの状態は
日頃からしっかり観察しておきましょう。
無事に出産を終え、
元気な赤ちゃんグッピーが
産まれてくると良いですね!
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