犬のヘルニア手術のリスクは?死亡や後遺症が残る可能性は?
愛犬が”ヘルニア”と診断され、
「なんでもっと早くに症状に気付いて
あげれなかったんだろう…」
そんな後悔ばかりが頭に浮かんで
しまいますよね。
でも、愛犬の苦痛を無くすためには、
今出来ることをやってあげるしか
ありません。
かと言って、すぐに手術だなんて
不安で一杯になってしまいますよね。
ヘルニア手術は安全なんだろうか?
手術以外の選択肢はないんだろうか?
なるべくなら、愛犬にとって安全で
効果の高い治療法をやってほしいと
思いますよね。
そこで今回は、ヘルニア手術のリスクや
術後の様子、手術をしない治療について
ご紹介します。
この記事に書いてること♪
犬のヘルニア手術の決断…考えられるリスクと成功率は?
仮に、愛犬に手術をする決断をしたら、
手術にはどんなリスクがあるんでしょうか?
ヘルニア手術をすれば、ヘルニアは
完治するのか、再発や後遺症が残ることは
ないのか、一つずつ見ていきましょう。
手術で完治することはある?後遺症が残る可能性は?
ヘルニア手術は、100%完治するとは
いいきれません。全身麻酔というリスクを
抱えて、必死の思いで手術を受けても
再発することもあるんです。
ただ、手術によってヘルニアの原因を
直接的に取り除くことができるので、
回復率は高い治療法と言えます。
症状がどの程度進行しているかでも、
ヘルニアの回復率は変わってきます。
ヘルニアの症状の進行具合は、
5つのグレードに分けられます。
グレード3以上だと、獣医さんから
手術を勧められることが多いようです。
胸腰部椎間板ヘルニアの回復率は、
グレードによって、変わってきます。
グレード1(歩行可能だが痛みがある)
手術による回復率90%
グレード2(爪先をすったり、
足を引きずるように歩く)
手術による回復率95%
グレード3(お尻が麻痺、前足だけで歩く)
手術による回復率90%
グレード4(指先に痛みを感じる、
後ろ足が麻痺で動かない)
手術による回復率90%
グレード5(後ろ足は完全麻痺で動けない)
手術による回復率60%
ヘルニア手術を受けて後遺症が残ることは
あるんでしょうか?
ヘルニアの場合、手術がうまくいっても
半身麻痺や後ろ足を引きずるなどの後遺症が
残ることもあるんです。
後遺症が残ると、犬が自分でオシッコや
ウンチが出来ない場合も多いので、
飼い主さんのサポートが必要です。
手術後の入院やリハビリは必要?
ヘルニア手術をすると、術後3日間は
安静にしていなければなりません。
犬が自力でオシッコが出来るようになれば、
大体4~7日程度で退院することができます。
術後15日程度で抜糸ができ、回復には
早期のリハビリが必要です。
リハビリには、温浴や水泳、補助歩行運動、
屈伸運動、マッサージ、鍼やお灸などが
あります。
血行促進のためお風呂に入るなら、
この記事がおすすめです♪
後ろ足の麻痺があった犬でも、
毎日リハビリを行うことで
自力で歩けるようになります。
ここで、リハビリを頑張っている
ダックスフンドの動画をご紹介しますね!
リハビリの回数を重ねる毎に、後ろ足の
動きがスムーズになっていきます♪
リハビリってこんなことをするんだって
分かるので、ぜひご覧くださいね。
手術をしても再発することはある?
ヘルニアの中でも”椎間板ヘルニア”は
特に再発率が高いと言われています。
椎間板ヘルニアは、1度ヘルニアが
発生すると、他の箇所でも発生する可能性が
高い病気です。
なので、ヘルニアは『完治』よりも、
『発生を予防する』ことがとても重要に
なってくるんです。
ヘルニアを再発させないためには、
激しい運動や高い場所から飛び降りるなど
足や腰、背骨などを痛める恐れのある動作は
避けるようにしましょう。
そうなると、お散歩や運動を控えて
しまいがちですが、適度な運動は必要です。
適度な運動は、愛犬の骨を鍛え、
筋力をつけることができます。
丈夫な骨や筋肉は、ヘルニアの予防に
とても大切なことなんです。
術後は、近所を10分程度散歩することから
始めて、少しずつ運動量を増やして
いくようにしましょう!
最悪の場合、ヘルニア手術により死亡することはある?
手術後を受けたのに、数日後に死亡する犬も
多からず存在します。手術後に亡くなった
原因は、”進行性脊髄軟化症”という合併症を
起こしたことにあります。
進行性脊髄軟化症とは、脊髄が軟化していき
脊髄を蝕んでいく怖い病気です。
椎間板ヘルニアになった犬のうち、
約3~11%が発症するという報告があります。
その多くは、グレード5で発症しやすいと
言われています。
症状が進行するにつれて、麻痺も広がって
いきます。最終的には、呼吸器系にまで
広がり呼吸困難を起こしてしまうため、
2~10日以内に死亡してしまいます。
この病気は、原因が解明されていないため、
有効な治療法も見つかっていません。
一体どうなる?手術をしないという選択肢
ヘルニア手術となると様々なリスクが
あることが分かりましたね。
では、『手術をしないという選択肢』は
ないのでしょうか?
あなたの愛犬が手術による治療を
しない場合や他の治療法を受ける場合、
どんなことが起こるのか一つずつ
シュミレーションしてみましょう。
治療しないとどうなるの?
ヘルニアは放っておいても、
自然治癒することはありません。
それどころか、背骨や脊髄などに
痛みが現れ、愛犬は痛みに耐えながら
生活を送ることになります。
やがて後ろ足は完全に麻痺してしまいます。
脊髄の神経は死んでしまい、
二度と歩くことはできなくなります。
愛犬は、一生歩くことのできない生活を
送らなければなりません。
お散歩に行ったり、ボールを追いかけたり、
走ることが大好きな犬にとって、これほど
耐えがたいことはないでしょう。
内科療法ってどんな治療なの?
「手術のリスクは避けたい!でも、
治療も諦めたくない!」そんなとき、
内科療法ならどうなんだろう…。
手術による”外科療法”とは別に、
”内科療法”と言われる薬の服用による
治療法があります。
内科療法では、短期間ステロイドを服用し、
痛みが軽減されたところで、血行促進のため
温浴などの温熱療法を行います。
このとき、ステロイドによる副作用が
あることを忘れてはいけません。
また、内科療法で最も重要と言えるのは、
”ケージレスト”で4~6週間行うことです。
ケージレストとは、トイレなど以外の時間は
ケージの中で安静にさせることを言います。
この期間中に、愛犬を「閉じ込めるのは
可哀想」とケージレストを守らないと、
愛犬は一生歩けなくなる可能性が
高まってしまうんです!
ヘルニアの再発率は、手術による
外科療法よりも高くなります。
ステロイド治療が本当に必要なのか
まとめているので
記事を参考にしてくださいね。
治療方法も確認してみましょう!
ヘルニアには鍼が効くってホント?
ヘルニアの治療法として、効果が
期待されているのは、”鍼治療”です。
鍼治療は、ヘルニアの犬にも安心して
行うことのできる治療法です。
手術と比べて後遺症が現れることも
なければ、犬にかかる負担も大きく
ありません。
内科療法と比べても、副作用が出る
心配もありません。
鍼治療は、一般的には2ヶ月程度の通院で
下半身麻痺のある犬も歩けるようになると
言われています。
完治ではないけれど、ヘルニアの症状を
和らげ、愛犬が自力で歩くことのできる
ところまで改善することも可能なんです。
まとめ
いかがでしたか?
ヘルニアの治療には、外科療法や内科療法、
そして鍼治療がありましたね。
どの治療法を選ぶかは、それぞれの治療法の
メリットやデメリットを考慮して、
信頼できる獣医さんに相談して
決めるようにしましょう。
ヘルニアは早いうちに発見して、
軽い症状のうちに治療を始めることが
とても大切です。
普段から愛犬に異変があったら
気付けるように、愛犬の様子を
観察するようにしましょう!
愛犬がこんな鳴き声を出したら、
愛犬からのサインかもしれません…。
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