犬の歯周病は口臭から?臭いの特徴や他の怖い病気の可能性も
愛犬の酷い口臭が気になる・・・
そう悩む飼い主さんは少なくない
でしょう。
そして愛犬から酷い口臭がしてくると、
まず歯周病を疑うのではないでしょうか。
しかし口臭を伴う病気は歯周病だけでなく、
なかには怖い病気が潜んでいることも
あります。
そのため本当に歯周病の口臭なのか、
それとも他に何かの病気が原因なのか、
しっかりと見分けないと、適切な対処
ができない場合もありますよ。
そこで今回は
犬の歯周病の口臭の特徴と、
口臭を伴う他の病気の可能性を
まとめてご紹介したいと思います。
愛犬の口臭の原因を突き止めて、
適切な対応をしてあげましょうね。
この記事に書いてること♪
犬の歯周病で最初に出る症状は口臭って本当?
歯周病は歯肉炎と歯周炎の総称で、
その名の通り歯の周りの組織の病気
です。
そしてその歯周病の大きな原因
となるのは、歯垢と歯石です。
まず歯についた細菌が歯垢となり、
歯垢は3~5日で石灰化し、
歯石になります。
表面がザラザラした歯石には、
更に歯垢がつきやすくなります。
そしてこの歯垢や歯石の元となっている
細菌は、糖を分解する過程で嫌な臭い
を発生させます。
口の中にとどまりやすくなった細菌は、
糖分を糧にどんどん増殖し続けるため、
それが臭いの元となるのです。
歯周病はこの歯垢や歯石に含まれる
歯周病菌が原因となり、歯の周りに
炎症を起こす病気ですので、
まずは症状の初めに口臭がみられます。
また歯周病で炎症がひどくなると
幹部に膿を伴うようになり、
そうなると腐敗臭のような
きつい口臭を発生させることもあります。
犬の場合人に比べて、歯垢が歯石に
変わるスピードがとても早く、
放っておくと歯石にはさらに歯垢が付く、
という悪循環が起こり続けてしまいます。
そのため今では日本の犬の大半が、
歯周病になっているかその予備軍と
言われているんですよ。
もちろん歯周病では口臭以外にも、
下記のような症状が見られます。
- 歯肉が炎症で赤くなる・出血する
- 歯が抜ける・グラグラする
- 歯肉や顔が腫れる
- 口腔内の痛み
- くしゃみや鼻水
- いびき
- ヨダレが増える
どのような症状が出てくるかは、
歯周病の重症度によっても異なります。
またかなり進行するまで、ほとんど
症状が出ない犬も少なくありません。
しかしどの犬も、まずは細菌の影響で
口臭がするようになります。
そのため愛犬に口臭がするなと思ったら
早めに歯周病を疑った方がよいでしょう。
犬の歯周病の口臭の3つの特徴とは
では次に、犬の歯周病の口臭の
特徴についてご紹介します。
歯周病の口臭の特徴は下記の3つです。
- 生臭い・膿臭い
- パカッと口を開けただけで臭い
- 歯周病が悪化するにつれどんどん臭くなる
歯周病が原因なのかそうでないのか
見極める際の参考にしてくださいね。
1.歯周病の口臭は生臭い・膿の臭いも
上記でもお話しましたが、
歯石や歯垢が歯につくと、まずは
生臭い口臭がするようになります。
これは歯垢や歯石の元になっている
細菌が、糖を分解する過程で臭いを
発生させるためです。
さらに炎症がひどくなり歯周病菌が
歯の根元の奥で増殖すると、
歯の根元に歯周病菌と血や膿が
溜まるようになる場合もあります。
そうすることで生臭い口臭から、
膿臭いような、腐敗臭のする
口臭になることもあります。
そのまま放っておくと
その膿が鼻や喉にも回ることで、
黄色い膿性鼻汁やくしゃみを
伴ったり、膿がつまりいびきなど
の症状も出てくるようにもなります。
さらに歯周病が進行すると、
その歯周病菌により歯根部の炎症、
感染が深部まで広がります。
犬の場合、上顎の歯槽骨の
すぐ直上には鼻腔があるので、
歯根部の炎症・感染が鼻腔に穴を
開けて、ろう管を形成してしまうこと
もあります。
それが原因で鼻腔炎を起こし、
くしゃみ・鼻水、という呼吸器の
病気のような症状が出てきます。
歯周病でくしゃみや鼻水が出る
原因について、詳しくはこちらに
まとめた記事がありますので
ご覧くださいね。
⇒犬の歯周病ってくしゃみも出るの?鼻にも症状が出る原因を解説!
歯周病でくしゃみや鼻水が出る場合
には、歯周病が進行してきている
サインですよ。
放置すると歯の根元の膿が破裂し、
膿と出血が見られる場合もあります。
さらに歯の深部の炎症や感染が
眼の下まで広がることで、
頬が膨らんだり歪んだりします。
膿によって皮膚がパンパンに腫れ、
破裂してしまうとその部分の皮膚が
破れて大量の血と膿が出てきます。
2.パカッと口を開けただけで臭い
また歯周病の口臭の特徴は、
匂いがきついということです。
歯垢が歯石になり、そこにさらに歯垢
が付着し、それらの菌が周りの組織に
炎症を与えている状態が、歯周病。
口内には菌が繁殖しているので、
極端に言えば犬が口を開けただけ
でも臭いですし、口の周りに顔を
近づけるだけでも結構匂います。
犬が舐めたものも、臭くなります。
よく嗅ぐと臭いという場合には、
まだ歯周病になっていない
一歩手前かもしれません。
軽度の段階なら予防やケアで悪化を
防ぐことができますので、その場合も
放っておかずに早めに対策を行う
ようにしましょう。
歯周病の対策として必須なのは、
やはり歯磨きです。
こちらの記事では効果的なやり方と、
おすすめのグッズをご紹介しています
ので、ぜひ参考にしてくださいね。
⇒犬の歯周病を歯磨きで改善!?やり方と使えるグッズ5選をご紹介!
犬の歯周病には
早めの対策が何よりも大切ですよ。
3.歯周病が悪化するにつれどんどん臭くなる
もちろんですが、
歯周病が悪化するに連れて
口臭はどんどん臭くなります。
進行してしまうと歯と歯肉の間に
できた溝が歯石で覆われてしまい、
塞がれて空気が入らなくなります。
そうなると歯周病菌の中でも
より悪さをする嫌気性菌という菌が
活発に活動し始めるので、匂いも
どんどんきつくなっていくのです。
歯周病の初期は
ちょっと臭いかな程度だとしても、
放っておくと菌の繁殖は進み続け、
膿臭い腐敗臭へと変化していきます。
歯周病は重度になればなるほど治療も
大変になり犬への負担も大きくなります。
また放置していると歯周病菌が
体内の循環に入り込み、そこから
怖い合併症を引き起こすこともあり、
場合によっては命に関わるケースも
あるのです。
そうならないためにも、
歯周病が疑われる場合には放置せず、
早めに動物病院に連れて行き、適切な
対処をしてもらうようにしましょうね。
歯周病の症状については詳しくは
こちらで確認してみてください。
また歯周病が悪化してしまう原因
についてもご紹介していますので、
ぜひチェックしてみてくださいね。
⇒犬の歯周病が悪化する理由は?毎日の習慣で悪化を予防する3つの方法
毎日の習慣でできる予防方法
についてもご紹介していますよ。
犬の歯周病以外で口臭の原因になる病気は?
ここまで歯周病による口臭の特徴
についてお話してきましたが、
犬の口臭の原因は全て歯周病
というわけではありません。
確かに犬の口臭の原因としては
歯周病が圧倒的に多いのですが、
実は歯周病以外にも、犬の口臭
の原因となる病気があるのです。
- 口腔内疾患(腫瘍)・・・良性腫瘍、悪性腫瘍、扁平上皮癌、悪性黒色腫、線維肉腫など
- 内臓疾患・・・胃腸などの消化器疾患、肝臓病、腎臓病など
特にこれらの病気がある場合、
歯周病同様に口臭を伴います。
口腔内腫瘍では、
悪性だと粘膜や歯肉のみならず、
骨組織が激しく破壊されていきます。
そのため歯周病同様に、
腐敗臭のような口臭が
発生することがあります。
この場合は口臭以外にも、
腫瘍による痛みや違和感から
食欲低下や食べこぼし、
元気がなくなるなどの
他の症状が現れてくるでしょう。
また内臓疾患がある場合にも
口臭の原因となることがあります。
この場合はそれぞれ疾患によって
独特の臭いの口臭がする場合が多く、
歯周病の口臭とは臭いが異なります。
それぞれ疑われる病気を
臭いごとにまとめましたので、
参考にしてくださいね。
口臭がすっぱい臭い・・・胃腸などの消化器疾患の可能性があります。特に胃炎を起こしている場合には、胃酸の分泌が過多になるため、嘔吐したり胃酸がこみ上げてきたりします。そのため胃酸のすっぱい臭いが、口臭として感じられます。胃炎の原因としては、急性のものは感染症、異物、中毒などがあり、慢性のものは免疫、胆汁の逆流、別の疾患の二次的な症状などが挙げられます。また、空腹時間が長くなることで胃酸過多となって嘔吐することもあります。原因はさまざまですが、命に関わることもあるので早急に病院につれていく必要があります。
口臭がアンモニア臭・・・腎臓や肝臓に何らかの異常があるかもしれません。何らかの原因で腎臓や肝臓が正常に働かないことで、通常は体の外に排泄される老廃物などが体内に溜まってしまいます。そのため口臭もアンモニア臭がすることがあります。場合によっては命に関わる病気かもしれませんので、早急に病院につれていく必要があります。
口臭が便の臭い・・・腸閉塞や腸のねじれなどの重篤な症状を起こしている可能性があります。重積、腫瘍、異物などが原因で、腸の内容物が正常に流れていかないため、便のような体臭や口臭が生じます。また他にも症状として便のような嘔吐物を吐くこともあります。他にも強い腹痛や痛みを伴う全身の緊張感や、元気がなくぐったりしている、下痢をする、便が出ない、などの深刻な症状が伴うことがほとんどで、命の危険が伴います。口腔内の問題やひどい便秘などが影響していることもありますが、早急に病院につれていく必要があります。
また、このような病気が原因
となっている以外にも
- 口腔内の乾燥
- ドッグフードの劣化
なども犬の口臭の原因となりますよ。
特に水を飲む量が少なかったり、
緊張やストレスなど何らか理由で
息使いが荒くなると、
唾液がねばっこく濃縮されることで
口腔内が乾燥して口臭がすることも
あります。
また酸化したドッグフードを食べさせる
ことで、口臭が変なにおいに感じること
もありますよ。
このように口臭の原因は様々ですが、
何かしらの異常があるサインです。
健康で何も異常のない犬では、
口臭はしません。
そのため愛犬から口臭がしたら、
しっかりと愛犬を観察し、
少しの異変にも早めに
気が付くことが大切ですよ。
犬が歯周病になる原因について
詳しくご紹介した記事もありますので、
合わせて参考にしてくださいね。
⇒犬の歯周病の原因は?なりやすい理由や行動パターンを徹底解説!
またもし軽度の歯周病であれば、
飼い主さんがしっかりと対処法を行う
ことで、改善がみられることもあります。
効果的な対処方については
こちらをご覧くださいね。
⇒犬の歯周病はどう改善する?実際に効果があった10個の対処法を紹介
歯周病がひどくならないよう、
1日でも早く対策をするように
しましょうね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は犬の歯周病の口臭の特徴と、
口臭を伴う他の病気の可能性を、
まとめてご紹介してきました。
歯周病では、
まずは症状の初めに生臭いような
口臭が現れるということでしたね。
酷くなると歯周病菌はどんどん増え、
さらに膿を伴うようにもなるため、
膿臭かったり腐敗臭のような口臭に
なることもある、とお話してきました。
- 生臭い・膿臭い
- パカッと口を開けただけで臭い
- 歯周病が悪化するにつれどんどん臭くなる
また犬の口臭には、歯周病以外の
原因がある場合もあるということも、
お伝えしました、
- 口腔内疾患
- 内臓疾患
- 口腔内の乾燥
- ドッグフードの劣化
歯周病が疑われる場合であっても
しっかりと臭いの特徴や症状を確認し、
他の病気の可能性もあるということを
頭に入れておくようにしましょうね。
そしてどのような場合でも、
原因に合わせてしっかりと対処
をしてあげることが大切ですよ。
歯周病が原因の場合、
普段から行える対策としておすすめ
なのが、ドッグフードで歯周病ケアを
する方法です。
こちらに歯周病の予防・ケアに効果的な
ドッグフードをご紹介した記事があります
ので、ぜひチェックしてみてくださいね。
⇒犬の歯周病用ドッグフード!予防やケアに有効なランキングTOP5!
またそのようなドッグフードと合わせて、
サプリを与えるのも効果的ですよ。
⇒犬の歯周病にはサプリが効果的!?口内環境を整えてくれるTOP5!
口内環境を整えることで、
歯周病の予防や改善が期待できます。
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