犬の歯周病の治療法は?処方される薬や手術の種類まで一挙大公開!
犬に最も多い生活習慣病
といわれる“歯周病”。
軽度なら歯肉の炎症や口臭が
みられますが、
その状態を放っておくと歯周病菌が
歯根膜や歯槽骨といった歯の周り
の組織まで進行していきます。
そのため
進行してから動物病院に連れていくと、
抜歯が必要といわれることも。
なるべく愛犬の歯を抜きたくない・・・
と思う飼い主さんも多いと思います。
では歯周病の治療法は、
抜歯以外にもあるのでしょうか?
今回は、犬の歯周病の治療法と
治療で処方される薬について
詳しくご紹介したいと思います。
後半では歯周病の治療にかかる費用と
市販の薬についてもご紹介します。
愛犬の歯周病で治療を考えている方は
ぜひ参考にしてみて下さいね。
この記事に書いてること♪
犬の歯周病の治療法にはどんなものがある?
初期には口臭や炎症などが
見られる歯周病ですが、
その状態を放っておくと菌が体内
にまで侵入し、命に関わる合併症
を引き起こすこともあります。
酷くさせないためには動物病院にて
早期治療が必要になりますので、
歯周病が疑われる場合は早めに
動物病院に連れて行ってください。
歯周病の治療法は、
歯周病の進行度によって様々です。
歯垢・歯石の付着によって、
歯肉が少し赤くなっている程度の
軽度な歯肉炎なら、
正しい歯磨きの仕方を覚えて毎日しっかり
と歯磨きをすれば改善する場合もあります。
しかし歯周病が進行して歯周炎になって
しまった場合は、基本的に麻酔をかけての
処置が必要になることがほとんどです。
具体的には全身麻酔をかけて、
歯垢・歯石の除去・歯根の掃除、
さらに歯の研磨などを行ないます。
場合によっては投薬や抜歯が必要
になることもあります。
ここでは犬の歯周病の治療法、
- 投薬治療
- 抜歯手術
についてみていきましょう。
1.投薬治療
歯周病が軽度の場合は、
抗生物質や抗炎症剤、歯肉炎軽減剤
などによる投薬治療を行ないます。
歯周病菌の繁殖と炎症を抑えることで、
進行を防ぐことができます。
しかし歯垢や歯石や酷い場合には、
まずはこれらを取り除かないと
根本的な解決にはならないので、
全身麻酔をかけて歯石取りの治療が
必要になります。
この際歯肉に起きた炎症は、
大抵は歯垢・歯石を取り除くことで
炎症も除くことが出来ますが、
全身麻酔がかけられない犬の場合や、
炎症が治まらない場合にも、
投薬治療をすることもあります。
2.抜歯手術
歯周病が軽度なら、
歯石取りや投薬治療だけで
症状は改善していきますが、
重度の場合は
歯周病菌が歯根膜や歯槽骨といった
歯の周りの組織まで進行していくため、
投薬治療だけでは間に合いません。
もし歯周病で歯の状態が酷い場合には、
さらなる悪化を防ぐために抜歯をする
ケースも多くあります。
抜歯は1本の時もあれば、
歯周病が酷い時には全部の歯
を抜く全抜歯となることも。
抜歯するのは可愛そうと思う
飼い主さんもいると思いますが、
たとえ犬は抜歯しても、
犬の生活には大きな影響はなく、
食事にも支障はありません。
逆に歯周病になっている歯を残し
歯周病菌が繁殖するリスクに比べたら、
抜歯の方が再発リスクも減ります。
しかし犬が抜歯をするには、
もちろん全身麻酔が必要です。
全身麻酔は犬にとって負担が大きく、
特に老犬や免疫力の弱い犬にとって
は大きなリスクを伴います。
いずれの場合も
かかりつけの獣医師と相談しながら、
適切な処置を行うようになるでしょう。
犬の歯周病の治療で処方される薬を5種類ご紹介!
犬の歯周病は炎症を抑えるために、
悪い歯の根本的な治療と共に、
口腔内の細菌を抑える治療が
効果的です。
また、中度、重度の歯周病は
痛みが強いこともあるため、
場合によっては痛み止めを使い、
犬の不快感を取り除く治療も行われます。
ここで歯周病の治療でよく処方される薬、
- 抗生剤
- 抗炎症剤
- インターフェロン
- 漢方薬
- 塗り薬
この5種類の薬について
詳しくご紹介します。
1.抗生剤
多くの場合歯周病は、
まずは抗生剤で症状を抑えることが
一般的です。
また、治療をしたあとや感染を防ぐ
ために、ビルデンタマイシンなどの
抗生剤が処方されることもあります。
また歯の抜歯後や歯周ポケットには、
抗生剤を直接注入する場合もあります。
抗生剤をしっかりと一定期間投与する
ことで症状の悪化を防ぐことができます。
2.抗炎症剤
犬の歯周病治療には、他にも
飲み薬が処方されることもあります。
主に炎症を抑える抗炎症剤、
口内細菌を退治してくれる抗菌剤
などが処方されます。
歯肉に起きた炎症は、
大抵は歯垢・歯石を取り除くことで
炎症も除くことが出来ますが、
全身麻酔がかけられない犬の場合や、
口内の炎症が治まらない場合にも、
抗炎症剤が処方されることがあります。
3.インターフェロン
歯周病では飲み薬の他にも、
塗り薬が処方されることもあります。
塗り薬では
犬の歯の周りに直接塗り込む
インターフェロンというものがあります。
インターフェロンは免疫活性化作用、
抗細菌作用、抗炎症作用などが期待
できる薬で、
一定期間口腔内に投与することで、
歯周病軽減効果があるといわれて
います。
投与する際はかかりつけの獣医師
と相談しながら行いましょう。
4.漢方薬
だいたいの場合は治療と合わせて
上記のような薬が処方されますが、
老犬や持病がある子、
麻酔のリスクがある子などは、
漢方薬を使うこともあります。
他にもそのような場合には
口内環境を良くするサプリを
勧められることもあります。
免疫力を高めるために、
乳酸菌のサプリを推奨する病院も
少なくありません。
かかりつけの獣医師と相談しながら、
適切な処置方法を選びましょう。
5.塗り薬
インターフェロン以外にも
塗り薬が処方されることがあります。
塗り薬は幹部に直接塗りこむことができ、
口にとどまる時間も長いので有効的です。
しかし獣医師が状態を見て
その子にあった薬を処方しますので、
獣医師の指示に従いましょう。
またどの薬にも必ず副作用が存在します。
薬を服用してから「下痢」や「嘔吐」
「アレルギー症状」などが現れた場合には
すぐに獣医師さんへ相談してくださいね。
犬の歯周病の治療の値段と保険の適用範囲は?
治療法や薬の種類が分かったところで、
気になるのがその治療費ですよね。
犬の歯周病の治療費は、
施術内容によって大きく異なります。
スケーリングという歯石除去治療を行い、
歯垢や歯石を取り除いた場合、
1回の治療で小型犬は5万円程、
大型犬は7万円程の金額がかかります。
料金の内訳は大体下記のようなものになります。
- 初診料 2000円~3000円
- 再診料診察 600円~1000円
- 血液検査 4,500円~8,000円
- レントゲン、心電図 4,000円~8,000円
- 血管確保や術中点滴2,000円~4,000円
- 吸入全身麻酔 8,000円~15,000円
- スケーリング(歯石除去)5,000円~10,000円
- ポリッシング(研磨) 3,000円~6,000円
歯周病の治療では
歯科専用機器を使用した処置や血液検査、
歯用レントゲン撮影などが行なわれるので、
高額になることも少なくありません。
またこのような施術は全身麻酔をかけて
行うため、行うたびに麻酔代もかかります。
さらに抜歯しなければいけないとなると
1本の歯につき平均5,000~10,000円、
歯周病菌が神経まで達しており
神経除去を行う場合や銀歯などの
詰め物をする場合は、
1本の歯につき平均50,000円ほど
かかることも珍しくありません。
そして状態が悪く手術が必要になると、
20万~30万かかることもあります。
重度になると1回で完治しないことも多く、
複数回診察を受ける必要があるため、
治療費もその分高くなります。
なかには麻酔をかけないで歯周病治療
を行うこともあり、その分費用面では負担
が減ります。
しかし無麻酔での歯周病治療は
デメリットが大きいため、
獣医師と良く相談しながら選ぶように
しましょう。
無麻酔のメリット・デメリットについては
こちらの記事でご紹介していますので、
合わせてチェックしてみてくださいね。
⇒犬の歯周病の手術は?麻酔ありORなしのメリットや3つの注意点!
最近ではペット保険に加入する飼い主さん
も増え、病院での費用の負担軽減ができる
ようになりました。
しかし歯周病などの口の中の治療については、
ペット保険は適応にならない場合が多くあります。
口腔内の病気に関して補償しているのか、
保険の補償内容をしっかりと確認しましょう。
もちろん、歯周病やその他の口腔内の治療
に関して補償をしているというペット保険会社
もあります。
しかし歯周病の治療が補償対象に
なっていたとしても、歯周病の予防措置
については対象外となるところがほとんど
ですので注意しましょう。
歯周病の治療では上記用に
高額になることケース多いので、
歯周病になる前にしっかりと補償して
くれる保険に入っておきたいですね。
犬の歯周病の薬は市販でも手に入るの?
犬の歯周病の治療法と治療にかかる
費用等をお話してきました。
歯周病は放置しておくとどんどん
ひどくなってしまうため、なるべく早く
動物病院でみてもらう方が良いですが、
高額な費用等をみると、簡単に連れては
いけなくなるという方もいるかもしれません。
そのような場合、犬の歯周病の薬は
市販でも買えるのでしょうか?
実はネットなどで調べると、
動物用医薬品として抗生剤や抗炎症剤
などが売られています。
なかには病院に連れていかないで
これらで治そうとする飼い主さんもいますが、
私はあまりおすすめではありません。
なぜなら歯周病は、
一見はそんなに酷くはなさそうでも、
見えないところで進行している恐れが
あるからです。
飼い主の判断で誤った治療をすると、
症状を悪化させてしまうこともあります。
なかには市販の薬が合わないことも
あるかもしれません。
素人の判断では危険があるため、
安易に自分で薬を飲ませたり歯石を取ったり
するのは、おすすめできません。
そのためまずは動物病院に連れて行き、
しっかりと獣医師に確認してもらってから、
指示を仰ぐようにしましょうね。
もし病院での治療をしながら、自宅でも
市販のもので歯周病ケアをする場合は、
薬ではなくデンタルケア用のサプリや
ドッグフード、歯磨きグッズ等を使うのが
おすすめです。
詳しくはこちらでもご紹介していますので、
良かったら参考にしてくださいね。
⇒犬の歯周病はどう改善する?実際に効果があった10個の対処法を紹介
改善策や対処法は様々ですので、
愛犬に合った対処法を見つけて
あげましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、犬の歯周病の治療法と
治療で処方される薬について
詳しくご紹介してきました。
歯周病の治療法は、
歯周病の進行度によって様々で、
投薬のみのこともあれば、
全身麻酔をかけての抜歯や手術が
必要になることもあるということでしたね。
歯周病は放っておいたり、
素人の判断で勝手に治療を行うと
どんどん進行してしまう可能性があり、
危険があるということもお伝えしました。
どのような場合も獣医師と相談しながら、
愛犬に合った適切な治療を受けるように
しましょうね。
そして歯周病は、何よりも普段の生活で
悪化させないようにすることが大切です。
軽い歯周病ならしっかりと自宅でケア
することで改善が見られる場合もあります。
普段から行える対策としておすすめなのが、
ドッグフードで歯周病ケアをする方法です。
こちらに歯周病の予防・ケアに効果的な
ドッグフードをご紹介した記事があります
ので、ぜひチェックしてみてくださいね。
⇒犬の歯周病用ドッグフード!予防やケアに有効なランキングTOP5!
またそのようなドッグフードと合わせて、
サプリを与えるのも効果的ですよ。
⇒犬の歯周病にはサプリが効果的!?口内環境を整えてくれるTOP5!
口内環境を整えることで、
歯周病の予防や改善が期待できますよ。
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