全国各地で「桜の開花宣言」が
気象庁から発表されていますね。
ところで、
何を基準に開花発表するのでしょうか?
気象台が観測する
「標本木(ヒョウホンボク)」に
「桜の花が咲いたら発表」
ということはわかるのですが…。
東京の「靖国神社」の標本木は
全国的にも有名ですよね。
- 桜の花がどのくらい咲くと
「開花宣言」できる? - 「標本木」は
どこにあるのでしょう?
今回は桜の「開花宣言の基準」
「標本木の指標」について
詳しく調べてみました。
まずは、「桜の開花宣言の基準」
についてご説明しますね。
桜の開花宣言をする基準はなに?
桜の「開花宣言」は気象庁が行っている
「季節観測の発表」のひとつです。
桜の季節観測に利用されているのが、
気象台が観測している
「標本木」の「桜の開花状態」が
開花宣言の基準になっています。
気象庁の職員が、標本木の
「桜の開花」を観測したあと
「開花宣言」する様子が毎年、
ニュースで流れますよね。
標本木についてはのちほど詳しく
ご説明しますが、
気象庁の観測地点は全国58カ所あり、
基本的に気象庁の各管理区の庁舎から
近いところにあります。
「桜の標本木」以外にもある
「ウメ」「アジサイ」「イチョウ」等の
開花・紅(黄)葉の標本木もあり、
「生き物」もあります。
今年度、うぐいすの鳴き声を
初めて聞いた・つばめを初めて見た等、
ニュース等で私たちが知るのも
気象庁の「観測発表」からです。
次の章では「桜の標本木」
について詳しくご説明しますね。
桜の標準木とは? 指標はどれくらい咲いたら開花となるの?
前章でご説明したとおり、
気象台が観測しているのは
「標本木(ヒョウホンボク)」です。
「標準木」ではないの?
どちらも同じと思っていませんか?
じつは、私は
「標本木」も「標準木」も
同じと思っていたのですが…。
開花宣言は、
気象庁が標本としている木に
花がどのくらい咲いたかで判断します。
気象庁で使っているのは
「標本木」なので「標準木」は誤用です。
「桜の開花日」とは「標本木」で
5~6輪以上の花が開いた状態となった
最初の日のことです。
気象庁の人は目で、基準にあわせて
開花状態を確認し、
「5輪咲いたので、本日を開花日にします」
と発表します。
桜の標本木は気象庁が決めるの? 主な標本木をご紹介
標本木は気象庁が決めて
気象庁の職員が観測しています。
全国各地の58カ所の桜の標本木は
主にソメイヨシノ(染井吉野)
ですが、カンヒザクラ(寒緋桜)や
エゾヤマザクラ(蝦夷山桜)を
標本木にしている地域もあります。
カンヒザクラはヒカンザクラ(緋寒桜)、
エゾヤマザクラはオオヤマザクラ(大山桜)
と同じ種類です。
観測の対象は主にそめいよしのです。
(中略)そめいよしのは
えどひがんとおおしまざくらの
交雑種です。そめいよしのが
生育しない地域では、
ひかんざくら、えぞやまざくらを
観測します。
(気象庁 さくらの開花日と満開日の観測方法)
全国的に有名な東京の
桜開花宣言の桜(ソメイヨシノ)は
1966年から靖国神社にあります。
▼全国の標本木の場所は
こちらでわかります。
各地の気象台の標本木は老齢化になり、
次の世代の桜を育てていたり、
観測場所が変更している
気象台も増えています。
次の章では標本木がある
主な場所についてご紹介しますね。
(2019年3月末現在)
その1.靖国神社
東京の標本木はソメイヨシノ。
靖国神社(千代田区)にあります。
以前は大手町の気象庁敷地内に
ありましたが、1966年から
靖国神社のソメイヨシノが
標本木になりました。
▼開花宣言当日(2019年3月21日)
午後の動画をYOUTUBEで見つけました。
全国的にも有名なので
開花日近くになると、
多くの人が訪れます。
標本木は基本的に気象庁の
各管理区の庁舎から
近いところにあります。
ですが、靖国神社は
東京管区気象台(気象庁本庁)から
約2キロなのでちょっと遠いですね。
その2.京都
▲二条城内にある清流園と満開の桜です。
「京都地方気象台」(京都市中京区)
が監査する桜の標本木(ソメイヨシノ)は
「二条城」の「北大手門」近くにあります。
二条城には標本木以外にも
多くの桜があるので
標本木を確認しながら
お花見を楽しむことができますね。
その3.横浜
出典 http://www.jma-net.go.jp/yokohama/
横浜の標本木(ソメイヨシノ)は
2013年までは
元町公園内にありましたが、
現在は元町公園近くにある
横浜地方気象台の敷地内にあります。
横浜地方気象台では施設見学
(平日のみ)もできます。※要予約
横浜地方気象台での見学後に
元町公園で以前の標本木を
見るのもおすすめです。
その4.札幌
出典 http://www.city.sapporo.jp/ryokuka/
札幌の標本木(ソメイヨシノ)は
札幌管区気象台の敷地にあります。
その標本木を見られる場所が
2016年に完成した
「北1条おてんき公園」です。
札幌管区気象台敷地に
隣接しているので、
公園から桜の開花を確認できます。
その5.奈良
出典 http://www.nara-wu.ac.jp/fuchuko/
奈良地方気象台の標本木(ソメイヨシノ)は
「奈良女子大学附属中等教育学校」内に
あります(2017年に移転)。
学校内にあるのは珍しいため、
開花情報は新聞・テレビ等でも
報道されています。
奈良地方気象台のサイトでは、
奈良県の桜の開花についての
情報もありますよ。
吉野の桜は北部の奈良盆地に比べ、
吉野山(下)で4~5日、
吉野山(上)で10日くらい
遅れて開花する。(奈良地方気象台 奈良県の四季)
その6.函館
函館の桜の標本木(ソメイヨシノ)は
五稜郭公園にあります。
多くの桜が星形の城郭を彩ります。
平年、函館の標本木は
開花宣言から満開までは
約4日と短いです。
ですが、気象庁の「満開」は
「標本木で80%以上のつぼみが開いた状態」
のことなので、満開宣言のあとでも
数日間、桜を楽しめます。
その7.福岡
▲開花日の福岡城の桜 (出典 http://saku-hana.jp/)
福岡の標本木(ソメイヨシノ)は
福岡管区気象台の敷地にあります。
福岡管区気象台の
桜の標本木が満開になるのは
開花日から1週間から10日後です。
福岡管区気象台では
観測施設等の見学もできます。※要予約
福岡管区気象台の
公式サイトではソメイヨシノ以外にも
梅、椿、たんぽぽ等の
開花日もお知らせしています。
日本最北端の桜の標本木はどこ?
出典 http://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/kanko/
日本最北端の桜の標準木は
稚内地方気象台にある
「エゾヤマザクラ」で
市内の天北緑地にあります。
平年、最初に沖縄県の石垣島の
カンヒザクラが1月に開花してから、
約4カ月後に最北端の稚内で
エゾヤマザクラが咲きます。
▼全国の標本木の場所は
こちらでもわかります。
(12月から6月まで更新)
日本最北端の桜の名所
「稚内公園」では
5月中旬に開花が始まります。
▼「稚内公園」を【ドローン】で
撮影した動画を
YOUTUBEで見つけました。
最北端の観測地点である「稚内」の
桜の開花を調べてみたところ、
例年5月14日でした。
桜の開花がいちばん遅い観測地点は
「釧路」のエゾヤマザクラ
(蝦夷山桜)の例年 5月17日です。
※参考資料 気象庁 さくらの開花日(2011~2018年)
釧路のほうが3日遅いのですね。
今年最後の桜の開花日は
稚内と釧路のどちらでしょうか?
まとめ
今回は「桜の開花宣言の基準」と
「標本木」についてご紹介しました。
簡単にまとめました。
- 気象庁管轄で全国58カ所に
標本木がある。 - 標本木の品種は主にソメイヨシノ。
- 「桜の開花日」とは「標本木」で
5~6輪以上の花が開いた最初の日 - 最北端の観測地点は「稚内」だが、
開花日が例年遅いのは「釧路」
標本木のソメイヨシノの老朽化で
次の世代の標本木になっていたり、
観測場所が変更しているところも
多くあります。
標本木は基本的に気象庁の
各管理区の庁舎から
近いところにありますが、
だれもが行ける公園等にもあります。
ぜひ、各地の標本木を
見に行きたいですが
遠方までは難しい…という方は
この記事を参考に、住まい地域で
「桜の開花宣言」をしてみませんか?
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