桜って何科の植物か知っていますか?
「もうすぐ桜の季節だね~」と話になり、
「桜って何科の植物か知ってる?」
と聞いてみたら「サクラ科でしょ」
「ウメ科?モモ科?」と答えはいろいろ。
生け花お稽古歴25年の私。。。
得意げに「バラ科」と言ってしまったら
「え~、似てないから違うよ。
桜は木だし、桜にトゲはないよ~」と、
さんざんな結果でした。
言われてみたら…、
バラ科ではないような気がしてきました。
そこで、しっかり調べてみました。
今回は
- 桜はバラ科の植物なの?
- 桜がバラ科なのはなぜ?
- バラ科の花はほかにもあるの?
についてご説明します。
まず始めに「桜が何科なのか」
ハッキリさせますね。
桜はバラ科の植物なの?
バラ科で有名な花は
【薔薇(バラ)】と【桜】です。
薔薇の【野バラ】は
バラの原種(品種改良以前の植物)です。
写真で桜(ソメイヨシノ)と
野バラを比較してみましょう。
▼桜(ソメイヨシノ)
桜(ソメイヨシノ)と
バラの原種である野バラは
見た目が似ていますね。
ですが、花屋さんで見ることが多い
花びらが沢山の薔薇(バラ)と
桜は似ていません。
▼花びらが沢山の薔薇
花びらが多い薔薇は
桜(ソメイヨシノ)や野バラとは違う
のに、同じバラ科なのはなぜでしょう?
次の章から
桜がバラ科の理由について
詳しくご説明しますね。
桜がバラ科なのはなぜ?
花びらが沢山ある八重桜も
桜ですから「バラ科」です。
▼八重桜
八重桜は「花びらが多い薔薇」と
似ていますね。
桜も薔薇も花の枚数は様々ですよね。
バラ科の基準を探ってみましょう。
バラ科の定義・種類・特徴を
調べてみました。
まずはバラ科の定義からご説明します。
その1.バラ科の定義
バラ科 は
【植物の科(グループ)】
の一つです。
バラ科の定義は
「花弁(花びら)と花の萼(がく)は5枚、
雄蕊(おしべ)は10本ないし多数」
となっています。
「バラの原種」である「野バラ」は、
見た目も「バラの定義」に
当てはまっていますね。
バラ科は科名の由来であるバラを始め、野草・栽培種とも多彩な種を含む。花弁・がくは5枚、雄蕊は10本ないし多数あり、雌蕊は1本のものから多数分立するものまで多様。葉は単葉または複葉で根元に托葉がある。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
桜のソメイヨシノも
バラ科の定義に当てはまっていますが、
八重桜は見た目は違いますよね。
八重桜も「バラ科」なのは
次の理由があるからです。
バラ科の原種
(バラ科の定義に合っている植物)
⇒「環境に合わせて変化」「品種改良」
⇒見た目は似ていない植物が発生
なので、
「八重桜」も「花びらが沢山の薔薇」も、
元々の基本(バラ科の定義)は
同じなので、バラ科に属しています。
桜は同じ木でも違う花びらが咲くことも突然変異すると、同じ枝でも、花ごとに花びらの枚数が違うこともあります。参照:一般社団法人日本植物生理学会
その2.バラ科の種類は2500種
バラ科の植物は
- 原種のまま(野生のまま・
人の手が加えられていない) - 環境によって変化したもの
- 品質改良されたもの
があるので、種類は多く
約2500種あります。
バラ科の植物はキク科、マメ科等と
同じように種類の多い科です。
桜と薔薇の蕾から開花までの
花の姿が似ていることがわかる動画を
YOUTUBEで見つけました。
▼桜の「蕾から開花まで」がわかります~インターバル撮影~
▼花びら沢山の薔薇の「蕾から開花まで」がわかります~インターバル撮影~
花のカタチは違っていても、
開花の過程は
似ている気がしますね。
その3.バラ科の植物の特徴
バラ科の植物の
大きな特徴は次の3点です。
- 多くの種類がある
(4つの亜科に分類される) - 見た目が違うものが多い
- 果物もある
バラ科の植物は
花や実の付き方等から
4つの亜科(科と属の中間)
に分類されています。
4つの亜科は、バラ・シモツケ・
ナシ・サクラです。
サクラ亜科とナシ亜科には
果樹もありますよ。
バラ科の花は美しいものが多く
観賞用に人気が高い特徴があり、
品質改良されています。
バラ(薔薇)、ハマナス(浜梨)、ウメ(梅)、リンゴ(林檎)、食用のサクランボ、ワレモコウ(吾木香)、ヤマブキ(山吹)、コデマリ(小手毬)、イチゴ(苺)、アンズ(杏)、カリン(花梨)、ボケ(木瓜) ビワ(枇杷)等
バラ科の果物は美味しいものが多い
のですが、ノド・舌や唇にピリピリ感、
かゆみ等のアレルギー症状
(口腔アレルギー症候群)が
出ることもあります。
バラ科の花はほかにもあるの?
バラ科の花は
薔薇と桜以外にも沢山あります。
ウメ(梅)、モモ(桃)等の花木類、
イチゴ、リンゴ、ビワ、カリン等の果実、
アーモンド等の食用のものもあります。
なかには、「えっ?これもバラ科なの?」
と思うような花もあります。
たとえば、次の写真のワレモコウ
(吾亦紅)もバラ科の野草です。
▼ワレモコウ(吾亦紅)
吾亦紅は秋に渋い赤茶色の穂がつく
可愛らしい野草です。
和花として華道や茶花でも活けたり、
庭花や寄せ植え、観賞用としても
人気がありますね。
▼バラ科の植物がわかる
『写真集』のサイトを見つけました。
⇒“バラ科”の植物一覧
バラや桜だけでなく、
バラ科の花は美しいものが多いです。
「イチゴ」「リンゴ」「モモ」等の
バラ科の果物の花も愛らしいですね。
まとめ
この記事では
「桜がバラ科の理由」と「バラ科の花」
についてご紹介しました。
簡単にまとめてみました。
- 桜はバラ科です
- バラ科の定義は
花びらと花の萼(がく)は5枚、
雄蕊(おしべ)は10本ないし多数 - バラ科の植物は2500種類
- バラ科の花は美しく、
果物は美味しいものが多い
バラ科の定義は
花びらや花の萼(がく)や葉ですから、
桜は樹木であっても
トゲがなくてもバラ科なのです。
【桜はバラ科である理由】
納得していただけたでしょうか?
ぜひ、自信をもって
「桜はバラ科の植物なのよ~」と
理由と併せてお話してくださいね。
コメント
東京も桜が大きな地震から守ってくれてるのかもしれません。
桜は日本の誇りです。
大切にしてください。