犬の歯周病の原因は?なりやすい理由や行動パターンを徹底解説!
近年、犬のトラブルの中でも
多く見られる“歯周病”。
初期には口臭などか見られる
歯周病ですが、
悪化すると合併症などを引き起こし
命に関わることもある怖い病気です。
可愛い愛犬を歯周病にさせたくない!
と、飼い主の方なら思いますよね。
愛犬を歯周病にさせないためには、
まずはしっかりと歯周病の原因を知り、
毎日の行動で歯周病を防ぐことが
大切ですよ。
そこで今回は犬の歯周病の原因と、
なりやすい理由や行動パターンを
ご紹介したいと思います。
まずはしっかりと歯周病の原因を知り、
効果的な対策を行うようにしましょうね
この記事に書いてること♪
犬の歯周病とは「歯肉炎」と「歯周炎」の総称
歯周病はその名の通り
歯の周囲の組織の病気です。
「歯肉」「セメント質」「歯槽骨」「歯根膜」
という四つの歯周組織に起こる病気で、
それらに起こる「歯肉炎」と「歯周炎」
の2つを合わせた総称です。
まず初期の段階の歯周病では、
歯周組織の中で一番外側にある
歯肉の炎症から始まります。
この段階では軽度の歯肉炎と呼び、
しっかりとケアをすれば健康な状態に
戻すことができます。
しかし軽度の歯肉炎を放っておくと、
徐々に歯肉が腫れ、そこから出血が
見られることもあります。
出血が見られたら歯肉炎は、歯周病
が進行し出した状態といえるでしょう。
歯周病になると主に
下記のような症状が現れます。
- 歯肉が炎症で赤くなる・出血する
- 口臭がきつくなる
- 歯が抜ける・グラグラする
- 歯肉や顔が腫れる
- 口腔内の痛み
- くしゃみや鼻水・いびきが出る
どのような症状が出てくるかは、
歯周病の重症度によっても異なります。
さらにかなり進行するまで
ほとんど症状が出ない犬もいて、
発見したときにはすでに歯周病が進行
していた、なんてことも少なくありません。
犬の歯周病の5つの原因は何?
歯周病は「歯肉炎」と「歯周炎」の2つ
を合わせた総称ということでしたね。
次に歯周病の5つの原因について
お話していきたいと思います。
口内環境の悪化によるもの
と思われがちな歯周病ですが、
実は歯周病になる理由は
それだけではありません。
ここでは
- 歯垢が付着している
- 歯石がある
- 口内で細菌が繁殖する
- 免疫力の低下
- 骨格の問題
この5つの原因について
詳しくご紹介しますね。
1.歯垢が付着している
歯周病の原因となるのは、
主に歯垢と歯石です。
歯垢や歯石に含まれる歯周病菌が
原因となり、歯の周りに炎症を起こす
ことで歯周病になります。
歯垢というのは、
歯に付着した細菌の塊のことです。
食べカスや唾液の中に混じっている
カルシウム分などが歯に付いたり、
歯と歯の間に溜まったりします。
これをエサにして細菌が大繁殖し、
歯垢と呼ばれる黄色っぽい塊に
なるのです。
細菌の塊なので口内環境を
悪化させる原因となりますが、
歯垢は歯に付着したばかりなら、
歯磨きやデンタルケアでとることが
出来ます。
2.歯石がある
そして歯垢は放っておくと石灰化し、
石のように硬くなります。
これが歯石といわれるものです。
犬の場合は人に比べて歯垢が歯石
に変わるスピードがとても早く、
歯垢は3日ほど放置すると
歯石になるといわれています。
また歯石の表面はザラザラしているため、
さらに歯垢がつきやすい環境になります。
歯石に歯垢がつき、さらに細菌が繁殖する
という悪循環が起こり続けてしまうのです。
歯石は硬いため、一回つくと
歯磨きではとることが出来ません。
そのためこの状態を放っておくと、
歯周病は悪化する一方となるのです。
3.口内で細菌が繁殖する
上記でもお伝えしたとおり、歯周病は
歯垢と歯石に含まれている歯周病菌
が原因となり歯の周りに炎症を起こす
病気です。
歯垢や歯石を放置することで
含まれる細菌が繁殖してしまうため、
歯肉に炎症が起こってしまいます。
一度細菌が繁殖すると、またそこに
繁殖しやすくなるという口内環境に
なってしまうので、
歯周病がどんどん悪化する
原因となってしまうのです。
そして細菌が歯肉だけでなく
歯根膜や歯槽骨に進行してしまうと、
歯槽骨が溶かされじめ、
歯肉炎から歯周炎となります。
本来歯茎に隠れているはずの
歯の根元(歯根部)が露出し、
歯が安定しなくなりグラグラと
しだすこともあります。
歯周炎も軽度であれば治療が
できますが、炎症が激しくなると、
最終的には歯が抜けてしまうことも
ありますよ。
またその細菌が体内に侵入し
全身に散らばることで、
腎臓や心臓、肝臓などにも多大な
ダメージを与えることもあります。
合併症を起こし、最悪の場合は
命に関わることもあるのです。
4.免疫力の低下
また歯周病は、
免疫力の低下でも起こります。
免疫力が低下していると、菌に
対する抗体も下がっているため、
菌が繁殖しやすくなるからです。
また免疫力が下がっているときは
胃腸や内臓の調子も悪くなるため、
口内の殺菌作用である唾液の分泌
の減少が起こったり、
さらに新陳代謝も悪くなることによって、
病原菌の繁殖が促されてしまうのです。
特に
老犬や何かの病気で体調が悪いとき、
疲れやストレスを抱えている犬などは、
そうでない犬に比べて歯周病に
なりやすいといわれていますよ。
また中には歯周病の原因には
他の病気が関係していることもあります。
- 遺伝的要因性
- 血液の病気(白血病など)
- 糖尿病
- 皮膚病
- 内臓疾患 など
これらの要因を持っている場合には、
ない場合に比べて歯周病にかかり
やすく、さらに悪化もしやすくなる
と言われています。
5.骨格の問題
犬の歯周病はリスクの高い低い
があるにせよ、全犬種・全年齢で
かかる恐れのある病気です。
その中でも特に
- 歯が小さくて歯間が狭い犬
- かみ合わせの悪い犬
これらの特徴を持つ犬は、
そうでない犬に比べて歯周病
になりやすいと考えられます。
もちろん全犬種にそのリスクは
ありますが、ある調査によると、
特に小型犬に発生しやすい
という結果が出ているんです。
犬は体のサイズと歯のサイズが
比例しておらず、大型犬よりも
小型犬の方が、体に対して歯
のサイズが大きくなっています。
小さい顎に大きい歯がつまっている
ので、歯の間はキュウキュウ状態に。
そのため食べかすがつまりやすく、
隙間の磨き残しも多くなってしまいます。
また口が小さいためにデンタルケア
がしにくいので、奥歯などに歯垢や
歯石が付きやすくなっているのです。
犬が歯周病になりやすい行動の3つのパターンをチェック
ここまで犬の歯周病の5つの原因
についてお話してきました。
では次に、
犬が歯周病のなりやすい行動を
3のパターンに分けてご紹介します。
もちろん歯周病は全犬種・全年齢
で発症する恐れのある病気で、
一概に“こうだからなる”などとの
理由を言えるわけではありません。
しかし先程ご紹介した
歯周病の原因から考えて、
- 柔らかい物ばかりの食事
- 歯磨きをしたことがない
- おもちゃをかじって遊ばない
普段の生活でこれらのパターンに
当てはまる犬は、そうでない犬に
比べて、歯周病になるリスクが高い
と考えられますよ。
それぞれご紹介しますので、
これらに愛犬が当てはまるのか
チェックしてみてくださいね。
1.柔らかい物ばかりの食事
愛犬が好きだからと、
ウェットフードや柔らかい食べ物
ばかりを与えていませんか?
ウェットフードなど柔らかくて粘着度
が高いものはドライフードに比べて、
歯間や歯の表面に
食べかすが残りやすくなります。
このようなものばかりを与えることで
口内にはどんどん歯石や歯垢が増え、
犬が食事をするたびに細菌が繁殖
しやすい環境になってしまうのです。
そのため歯周病にさせないためには、
なるべく柔らかいものよりも、硬めの
ドライフードを与えるようにしましょう。
硬くて噛み応えのあるものは、
犬が噛むだけで自然と歯の汚れを
落としてくれる効果が期待できます。
ドライフードと合わせて骨型のガム等を
与えてあげるのもおすすめですよ。
2.歯磨きをしたことがない
歯周病の予防の基本は、
何といっても歯磨きです。
歯磨きをしたことがない犬は、
歯周病になるリスクはとても高い
といえます。
また歯磨きをしている場合でも、
頻度が足りていなかったりきちんと
磨けていなかったら、あまり意味が
ありません。
先程も言いましたが、犬の場合は
歯垢が石灰化するのが早く、
3日ほどで歯石となってしまいます。
数日歯磨きをしないでいれば、
あっという間に歯石が増えてしまい、
歯周病の悪化へと繋がってしまうのです。
そのためしっかりと歯磨きをし、
歯垢を除き歯石を作らないように
してあげる必要があるのです。
そしてなんとなくの歯磨きではなく、
しっかりと効果的な歯磨きを行なう
ことが大切ですよ。
歯磨きの頻度はできれば毎日、
夕食後にするようしましょう。
毎日が難しい場合は、
最低でも2日に1回は必要です。
中には愛犬が歯磨きを嫌がって
上手くできない、という方もいると
思います。
歯磨きが苦手な犬の場合は、
何度かに分けて歯磨きをする
習慣をつけましょう。
今日は下の歯、明日は上の歯、
明後日は下の歯。
などと、2日~3日で全ての歯を磨く
という感じで行なうようにしてみて下さい。
そうすることで飼い主にも負担がなく、
歯磨きの時間も短くなるため、
犬自身も徐々に慣れていってくれる
と思いますよ。
もし既に歯周病になってしまっている
犬の場合は、歯磨きで歯周病を治す
ことはできません。
早急に動物病院に連れて行き、
適切な治療を受ける必要があります。
そして治療を受けた後はしっかりと
歯磨きをし、再発を防ぐことがとても
大切です。
愛犬との歯磨きのやり取りで使える
おすすめのグッズをご紹介した
記事がありますので、くわしくは
こちらを確認してみて下さいね。
⇒犬の歯周病を歯磨きで改善!?やり方と使えるグッズ5選をご紹介!
愛犬に合ったデンタルケア方法
を行ってあげてくださいね。
3.おもちゃをかじって遊ばない
さらに、
普段おもちゃをかじって遊ばない犬も、
そうでない犬と比べると歯周病になる
リスクが上がると考えられます。
歯周病予防には歯磨きが大切ですが、
犬に行えるデンタルケア方法は、
決してそれだけではありません。
ケア方法の一つとして、
歯磨き効果のあるおもちゃで
遊ばせてあげる方法もあります。
歯磨き専用のものでなくても、
硬いものやロープ状のおもちゃなど、
犬が噛むことのできるおもちゃで
遊んであげていると、その中で自然と
歯垢が取り除かれ、デンタル効果が
期待できるんですよ。
この方法は犬にも飼い主にとっても
大きな負担なくデンタルケアが行える
ので、おすすめですよ。
今までこのようなおもちゃで
遊んでいなかったという犬でも、
歯磨きの習慣と合わせて、
ぜひ取り入れて見てくださいね。
こちらで歯周病が悪化してしまう原因
についてもご紹介していますので、
ぜひチェックしてみてくださいね。
⇒犬の歯周病が悪化する理由は?毎日の習慣で悪化を予防する3つの方法
愛犬の歯周病に気が付いたらまずは
病院に連れていく必要がありますが、
もし軽度の歯周病と判断されれば、
飼い主さんがしっかりと対処法を行う
ことで、改善がみられることもあります。
効果的な対処方については
こちらをご覧くださいね。
⇒犬の歯周病はどう改善する?実際に効果があった10個の対処法を紹介
歯周病がひどくならないよう、
1日でも早く対策をするように
しましょうね。
まとめ
いかかがでしたか?
今回は犬の歯周病の原因と、
なりやすい理由や行動パターン
をご紹介してきました。
愛犬を歯周病にさせないためには、
まずはしっかりと歯周病の原因を知り、
そして毎日の行動で歯周病を防ぐこと
が大切ということが分かりましたね。
- 歯垢が付着している
- 歯石がある
- 口内で細菌が繁殖する
- 免疫力の低下
- 骨格の問題
- 柔らかい物ばかりの食事
- 歯磨きをしたことがない
- おもちゃをかじって遊ばない
普段の生活でこれらのパターンに
当てはまる犬は、そうでない犬に
比べて、歯周病になるリスクが高い
と考えられるとお話しました。
怖い症状も起こる歯周病ですが、
飼い主がしっかりと対策をすれば、
防ぐことが出来る病気でもあります。
歯周病の原因となりやすい行動パターン
をしっかりとチェックし、普段から歯周病
対策を行うようにしましょうね。
普段から行える対策としておすすめ
なのが、ドッグフードで歯周病ケアを
する方法です。
こちらに歯周病の予防・ケアに効果的な
ドッグフードをご紹介した記事があります
ので、ぜひチェックしてみてくださいね。
⇒犬の歯周病用ドッグフード!予防やケアに有効なランキングTOP5!
またそのようなドッグフードと合わせて、
サプリを与えるのも効果的ですよ。
⇒犬の歯周病にはサプリが効果的!?口内環境を整えてくれるTOP5!
口内環境を整えることで、
歯周病の予防や改善が期待できます。
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